先日、神奈川に住んでるお客さんが

 

「ぎっくり腰になったから今から行かせてくれ」とSNSからSOS。

車で来る方なので、運転してきたら悪化すると思い、

 

「そんな長距離運転してきたら悪化するから来ない方がいいですよ。」

っと返答。けど近くで治せる店を知らぬ存ぜぬ聞かざる言わざる。

 

ぎっくり腰で運転出来るんならそこまでひどくないじゃん。っと思う方はまだ早計。

ぎっくり腰も十人十色。君は1000% 痛みって本人の耐久値依存も大きいんですぜ。

めっちゃ痛がってる人のダメージが10で、そこまで痛がってない人のダメージが100の事だってある。

 

で、結局来るって言うからゼルダやって待機。すぐ2時間経ってた。

 

ご到着し、どーもですー。

 

あー、脂汗滲んでるー。

目が血走ってるー。

だから言ったんだ来ない方がいいって。。。

 

でも、今日は結果的には来て正解。治ったからさ。しかし毎回一度でこんな症状取れる確約なんて出来ないよ。

ゴロンと横に寝かせて鍼ザクザク。患部に直接ズンズン響かせるオラオラ系の強気のフリースタイル。悲鳴がうるさいからお客さんに耳栓してみるか。じょーだん。

あとは頭から足までひっかかりある関節1つづつチェックして調整。ぎっくり腰は腰に負担かける姿勢作り出してる筋肉のバランス変えてあげないと治んないからみんなもやってみて。出来るならさ♪

 

お客さん曰く、うーんスッキリ無我の境地。

 

治療自体の痛みが残るから帰りの運転は辛いけど帰ってよく寝るんだよがサヨナラの言葉。

運よく今回は1回きりでほぼ上々に解消。翌日からよく食べよく歩き、翌々日には運動もフルパワーで再開したと報告。

さすがにそれは強めに注意喚起。まだやめといて。

聞いてはくれないが楽しく過ごしてくれてるようでなによりです。

 

これ、治療結果に催眠効果も大きく乗ってるんですよ。

「阿部にやってもらえば治る、阿部にやってもらったからもう大丈夫」

自己催眠。

だがそれがいい。

脳が痛みを決めてる、脳がコリを作ってる、とどこかに書きましたが良い方向にもギュインと働く。

「まだ」完治してないのに「もう」治った状態が完成。

 

これは捉え方なんです。

治療したのに「まだ」痛みが取り切れてない = 治療したから「もう」こんなに動けるようになった。

これは信頼度によって左右しちゃいます。

だから施術者は本来このへんのコントロールを心理学上手く使ってやってくべきだとは思いますよ。

それも技術で才能の1つ。その点に特化した施術者たくさんいますし。占い師も使うコールドリーディングとか使う治療家もいますしね。私?私はもちろんそんなこと出来ない。

 学問程度じゃ自我が抑えきれないですからね。

いつまでもマイナスに働く私の話術はいつだって最高にクールです。冷たいって意味で。技術だけで孤独なレース続けてるんだから偉いよなーって我ながらに思うんだぜ。ワイルドだろ。

 

そういえば鍼屋始めたばかりでまだ大して治療の成功体験乏しい頃、

「ここに来れば治してもらえるって聞いて来ました。」

なんてぎっくり腰で動けなくなったお客さんがタクシーで運ばれてきたことあったっけ。

その人を紹介してくれた人の事も知らないし誰のぎっくり腰直した評判を聞いて来てくれたのかも全然わかんないまま今の今に至る。

聞かないから、話してくれないこと。個人情報に踏み込まなすぎて逆に心配されるのが鍼屋の特色。今も昔も。

その人治せた事でまた別のお客さんが噂を聞いて来て、また新しい出会いあって、そんな初期の頃のぎっくり腰の思い出ふわり落ちてくる夜。

 

でも、今と比べたら当時ド素人です。

知識無し経験無しでどうやって治せてたのか我ながら七不思議の七位には入る。一位から六位はメルマガで配信するからメルマガの作り方誰か教えて下さい。

 

先日、経験を重ねれば重ねる程上手いわけじゃないって書きましたが、当時は当時なりの武器を持って、自信も無いのに胸を張ってなんとか闘ってたんだなーと。淡いなー。懐かしい。

 

私はいつも「自分より上手い人見た事ない」とかバカな事言って無駄にハードル上げてるんですが、昔の自分はもしかしたら今の自分より部分的にでも上手かったかもしれない。自分の昔も今も、他の施術者も、その人なりの優れた治療法を持って闘ってる。だから技術に上下なんて無いんだろうなぁ。染みる~。

 

それを本当は分かっていながら私は自信家ぶってるから、見る人によっちゃ「うげー、なんだこの自信家。キモー。」って思われちゃうかね。

あんまりイキがってるとブレイキングダウンのオーディションの様だね。口だけ野郎。

 

さて主題はなんだった?距離のことだ。

鍼やマッサージが好きで好きで、上手い人求めて単発で施術を受けに各地を回る。

 

そんな人ならいつでもお立ち会い。真っ向勝負したい。

だけど今回のぎっくりさんみたく症状がひどい時、または継続治療が必要な時。

それはどうしたって距離は敵なんですよ。

津田沼時代もほうぼうから来てくれてました。

でも人間の疲労って移動距離に比例するんです。

 

平日は通勤で移動。

休日は他県まで治療受けに移動。

これじゃ身体休まる暇がない。治って欲しいのに身体に負担かける行動をさせてしまう。

矛盾してて治療家としては複雑な気分になってしまう。

そこで解決法。

 

「ひがふなは、コンビニ行くより近い街」

遠くに住んでるお客さんはこの句を朝昼晩唱えて自己催眠して下さい。 

心理学使いこなすって素敵。でも催眠術なんてのも案外こんなもんだよ。こわいよねー。

遠くからでも来て欲しいですよ、でも、症状と向き合って無理はしないで下さいね。