新しい職場10回程出勤し、当然と言えば当然ですが既にリピーターやご指名を着々と増やしてる阿部さん。しかし既にこの職場に自分が長期間留まる理由は今の所無さそう、という見通しだ。これは職場への不満とかそんなつまんない話ではない。
 

私が勤めに出たのにはもちろん得たいモノがあって出たわけで、今の職場では丸々季節の廻りを一度過ぎる頃には吸収するモノはなくなっていることだろうなと。既に今回得たいモノの5割は得ちゃったし。吸収力抜群。

 

残り5割は何か、というとお客さん、、、の身体。

 

先日同じ職場のまだ業歴の浅い子に

 

「色んな人の身体触っていくと、ある時急に自分の技術を飛躍的に伸ばしてくれる身体と出会うことがあるよ。そんな出会いを繰り返していく事で段々上手くなるよ。」

 

なんて自分の経験則からなるアドバイスをしたとこなんだけど、私自身も新しい職場でそれを求めている。

 

そして、早速昨日出会ってしまったのだ。

 

この職場に来てから私は基本的に、っというかほぼ全員

 

『強揉み好きのオジサン』 

 

を担当させられていて、とはいえ私からしたら全然強く揉む必要もなく普段通り適度な力で揉んでれば

 

「あ~、いいねぇ、効くぅ~」

 

っとなるので、力ではなく揉み方や技の方を感じてもらうようなショータイムをご披露してたりします。

 

と・は・い・え。さすがにオジサンばっかりをずっと揉んでると鍼屋時代よりずっと指疲労がひどくて、久しぶりに「俺の指の寿命あと何年かな・・・」なんて考えてた時の事思い出してます。そのうち親指が根本から取れちゃうんじゃないかとか感じる。

鍼屋の時顧客の男女比は女性6割程度だったように記憶してるんですが、現在ほぼオジサン10割。やっぱりね、身体硬くて大き目の男性揉む方が圧倒的に大変なのは正直な所。

 

そんな風に指を痛めつけている日々の中昨日出会った、私を成長させる身体。のオジサン。

 

正直、なめてました。まだ出勤10日程度でこの環境をマスターしたとでも勘違いしていたというか、自分の技術と力を過信していたというか。そういえば過去にだって何度かはこういう経験もあったんだ、っということを思い出しました。

 

私はお客さんにうつ伏せになってもらってからまず腰を押すことが多いんですよ。いきなり最初に一番凝ってて硬い部位、上半身と下半身の境目の様子を見る、という意味で。

その時も、さてそんじゃ押してみるぞー、っとグイっと押してみたら、

 

「アキレス腱あたりから徐々に上がってきて」

 

っとお客さんから指示。あ、指示くれるタイプの人ね。おっけーおっけー。

心臓に遠い位置からほぐしていく、っというセオリーが好きみたいでそれならそのようにしようと思い早速足から攻めることにしました。

私は施術に関しては自分のやり方はどーでもよくて、お客さんのこだわりがあるならそれに合わせるようにしてます。何故ならその方が身体がほぐれやすいから。

プライベートに関しては自分のこだわりが強く頑固で意固地な部分もありますが施術に関しては柔軟な対応が出来る方だと自負しております。

 

アキレス腱やら足裏やらふくらはぎやらをいつも通りに、いやいつもよりは強めに押していく。

あれ?身体の反応が薄すぎる。もうちょっとか?もうちょっとか?このくらいかな?・・・・そしていつの間にか全力で押している。。。

ふくらはぎ中央の一点、急所になる箇所を押した時だけ唯一、

「うん、そこいいねぇ」っという言葉が出た。普通なら悲鳴を上げるレベルで押しているのにだ。

 

ここで、これを読んでるあなた自身が客としてマッサージ店に行った時の事を思い浮かべて欲しい。

「力加減いかがでしょうか?」っと施術者は必ず聞いてきますよね。その時あなたは弱いなぁと感じていて、「もう少し強くしてください」っと言う。しかし全然力が変わらない。

今度は勇気を出して「もっと全力で押していいですよ」っと言ってみる。しかし全然足りない。

 

施術者は一生懸命やってる感じはする。きっと絶対的に力が足りない施術者なんだろう。じゃぁ、ハズレを引いたと思って我慢するしかないか。大人しく寝ていよう。あーあー、時間とお金、もったいないなぁ。っと考えながら施術時間が過ぎるのを諦めて待つ。という人が大半ですよね。

 

私は今回、開始10分程でこのお客さんからそれを感じ取ってしまったんです。

 

ヤバい、ハズレと思われてるかもしれない。。。このままではダメ施術者と思われてしまう。

だがしかしだ、既に指に全体重乗っけた圧をかけて両手押ししてて、とっくに限界を超える力で押しているのだ。お父さん指が悲鳴をあげている。親指は母指って呼ぶのに何故お母さん指は人差し指なんだー、っと、こんな時に考えなくてもいいような事が浮かんできたのはお父さん指が寿命を迎え走馬灯が浮かんできているからなのか。やばい、ほんとこのままだとここでお父さん指死ぬかもしれない。

マッサージ人生でここまで力を出すのは何年ぶりだ。しかしそれでもこのお客にとっては無風。足をくすぐられてる程度なのだろう。完全にこれは、、、敗北だ。いや、このままでいいはずがない。

 

 

 

・・・・・気づくと私は、お客様の身体の上にいた。乗っかっていた。

 

お客の骨盤を包むように両手を置き腕立てのように上半身を支え、そして四つん這いになり膝小僧をお客のお尻のくぼみに当てこみ、そこから自分の足の親指をお客のふくらはぎど真ん中にもっていき、突き立ててから膝を浮かせた。そしてそのまま重心を足の親指の先に移していった。

 

お客さんは言った。「あー、それでやっと効いてる。かも。」

 

 

かも。かーい。

 

「もっとちゃんと乗っちゃっていいよ。」っと言われたので、ここからリベンジ戦、スタート。

 

施術時間が過ぎるのを待たせるだけの施術者にはなりたくない。私はベッドの上に立ち上がり、お客さんを踏み出した。足で押す、フーレセラピーの始まりだ。

ただし片足で乗っても全然効かないのでお客さんの身体に上陸。落ちたら死ぬつもりでバランスを取りつつ、かかと、又は親指の先っぽをコリに沈めていく。手すりもない状態で施術ベッドの上で不安定なお客さんの身体を足場にし、一点集中で全体重を乗っける。

当然手の指を使うのとは比べ物にならないずっと感覚を研ぎ澄ます作業だ。これはさすがのお客さんも嬉しかったようで、気分が乗ってきてさらに細かく私に指示をくれたり、自ら体勢を変えたり身体を動かしてツボに入りやすい状況を創ってくれる。これはもう共同作業だ。

私も段々体重移動に慣れてきてツボをさらに捉えだす。

「いいよいいよー、かかとにも目付けて~」なんて激励の声が下から湧いてくる。

 

フーレセラピー、興味はあったし絶対上手く出来る自信はあったけど、完璧にこなすには天井に手すりとなる棒を吊るしたりして設備が必要なので今までちゃんとはやってこなかったが、まさかこんなところで突発的に必要を迫られることになるとは思わなかった。その後腰や背中にも移動し押していったが、さすがにこの部屋の環境と今の技術で細かい筋肉にまで全体重乗せで乗るのは危険なので身体から降りた。

 

手の指が効かない事はもう分かってる。じゃぁどうする。肘だ、肘を解禁しよう。

肘も肘でおろしたて。指で力が足りないと言われることなんて今までほとんどなかったので、肘も必要なかったんですよね。阿部は肘でちゃんとコリを掴めるのか。当てれるのか。そんな不安もよぎった。

 

でもきっと大丈夫。自信はある。根拠はいらない。身体を使うことにおいて出来ると思ったことが出来なかったことはない。

 

 

 

結果、お客さんは何度も嬉しそうな悲鳴をあげ、

 

「いいよいいよー、肘にもちゃんと目ついてるよっ」

 

っとノリノリな施術タイムになりました。

 

さらに施術中何度か、

 

「今までのマッサージ人生で今日が一番最高だ」

 

っという言葉を何度かいただけた。

んー、客からこんな言葉を引き出せる治療家はそんなにいないんじゃないだろうか。単純な単語の羅列なのに今まで聞いたことのなかった、初めて聞く日本語に少し感動した。

 

きっとこの人、これだけの圧が必要なこの人は今までどこのお店でも自分が求めるだけの満足なマッサージを受けれたことがなかったんだろう。

昔っから色んなお店で施術者探しをしてきたようでお気に入りはちょこちょこいるらしい。基本普段は自宅にお気に入りのマッサージ師を二人呼んで、三時間程かけてやっと身体がちょっとほぐれるのを感じるそうだ。

 

今まで男性の施術者で完全に身体に乗っかってくれる人はいなかったということで、しかもここまで力入れて的確なツボを押してもらえたのは初みたい。

私も私で指示をいただいたり動いたりしてもらったので

「今日の施術は二人で創りあげたモノですね☆」なんてテンション上がって答えてました。

 

私にとっても、今まで少しマンネリ化して刺激が足りてなかった状況に風穴開けられたような出会いとなりました。こういう出会いがあると他の方に対する施術にも変化が出て総合力が上がるので大変貴重な出会いです。といっても他の方にフーレセラピーするわけじゃないけどさ。てか会社にフーレやったって言ったらそんなの危ないから二度とやるなと怒られるだろね。

まぁ、じきに会社もこのブログ見つけるでしょう。別に読まれてもかまいませんけどね。これから会社の悪口めっちゃ書いちゃうこともあるだろうし、是非読んで欲しい(笑)

 

その為にもどこの会社で、どんな職場で働いてるかは絶対書きません。

特定出来ない状態での悪口はなんの違法性もないからさ。だって悪口絶対書いちゃうって入社前からわかってたし。でもそれは今の会社に対して、ではなく日本のほとんどの会社組織に対する悪口なんですけどね。

昨日も本部で少々会社の悪いところを口頭にて社員相手に意見してきました。そのうち運営の会議にも出たいくらいだが。

言いたいことは言わないと会社が調子乗り続けるからね。意見言ったから会社が変わるなんて思ってないのですよ。ただ、一方的に何も文句言わずに我慢して受け入れるのはよくない。ほとんどの人が辞める時くらいしか文句言わないから会社はどーせ辞めるやつの意見と気に留めず進んでいく。そしてしっかりとブラック企業へと成長してるんです。だから所属してるうちに言っていかないと。てか既にこの会社全力ブラック企業なんですけどね。

 

さて話を戻して、鍼屋でもたまーに遊び程度でフーレやってたことあるけど、あの時も天井に鉄棒設置したいなーって気持ちにはなりました。

フーレやれたら治療の幅もさらに広がるし、何よりあれ、めっちゃ運動になるんですよ。懸垂しながら下半身使うんだから、超全身運動。

おかげで今日はバテてます。

 

さて、次はどんなお客さんと出会うかな。こういう出会いが定期的に得られる環境ならしばらく身を置いていてもいいな~と思ってるんですが、会社側が私をどこまで野放しに出来るかとのせめぎ合いかもしれない。

 

会社組織のほとんどって、ほんとくそくだらないつまんねーやつらが仕切ってて、社員もちゃーんと洗脳されてるんですよね本人達はそんなことないって言うだろうけど

「これが私の仕事だから」っていう虚偽の大義名分の下しっかりとくそくだらないやつらのやり方を遵守しちゃう。

いつの間にかそれが間違ってるという事に疑問も抱かないまま。いや、疑問を持ちつつも今の立ち位置を守れればいいやと考える。そして本来仲間であるはずの労働者(上司)が別の労働者(部下)を苦しめる構図が出来上がったりもする。部署同士でいさかい起こしたり亀裂があったりとかもね。

経営者は労働者同士で争わせている間にそんなこと知ったこっちゃないとばかりにまた新たに労働者に不利益なシステムを思いついちゃうんですよ。まぁ思いつくというかそんな独創性ない知能レベルだから他の会社でやってる事を当てはめて真似するだけなんですけどね。

そしてどんどん労働者の意欲や独創性を奪うから、単純な歯車的労働力にしかならず成長が鈍化する。会社も社員も。優秀な人材を呼び込んでももちろんどんどん抜けていく。

 

ほんと面白いですよね~組織って。やっぱり、やりたい事がある人は正式に属するような場所ではないですね。人を大事にしない会社に勤めてる人には、義理を感じずいいとこ取りだけしてサッサととんずらして欲しいなーと思います。日本全体の為にも。

人材と一緒に成長しようとする経営者ってのはいないもんなんですかねぇ。

 

っていうと向こうは決まって「お前は現実が見えてないからだ」とか反論してくるんですよ(笑) 足元が見えなくなって大切な社員達の幸せを奪っているのはだれなんだかね~。