休みの日、お風呂でも入って寝る準備始めようかな♪

 

なんて思ってたとこで携帯が鳴る。

 

「あべくん何してんの?待ってるから来てよ」

 

っとだけ、高校の同級生からひさしぶりのメールが届く。在学中はよく絡んでたけど、卒業してからは10回も会ってないような仲。

そんくらい唐突なのに的を射ないぶっきらぼうメールは相変わらずだな。

 

それでもたまに連絡来て行ってみると他の同級生がいたりだとかで、懐かしい人に会えるかもという期待もあり、まだ時間も早いし出かけてみるかと家を出る。

 

メールと共に住所付きの地図が送られて来てたので、調べて見るとメゾン○○とかってアパート名みたいなのが出てきた。

 

「お店じゃないの?」っとメールを送ってみると

「お店だよ。」っと返ってくる。

 

まぁいいや、行ってみるか。言ってることがほんとか嘘かもわからないし。

居酒屋にでもいるのかなと思ったけど、友達の家に上がり込んでるのかな?誰の家だろうな~。なんて、誰に会えるのか楽しみにしていた。

 

が、地図通りの場所に行ってみると見慣れないお店。

メゾン○○はビルの名前だったのだが、

店の看板にはガールズバーって書いてある。

 

「ガールズバーって書いてあるよ?」っとメールを送ってみる。

「そこだよ」っと返ってくる。

 

ガールズバーのシステムまったく無知な私。

でも来ちゃったからもういいやと思い、重い扉を開けてみた。

 

いた。友人いた。

でもそいつ1人でいやがる。他の友達とかいない。

普通にガールズバーに呼ばれただけだった。騙された。。。いや騙されてはないか。こちらも詳細なんも聞かなかったし。

 

ガールズバーってテレビとかでチラっと見かけたイメージだと、バニーちゃんの服着たりした女の子がカウンター越しにいて、指名した女の子と1対1で話してるようなイメージだったんだけど、そこは全然違った。テレビでみたのはそういったコンセプトある店だったんでしょね。

 

そのお店は、近くの大学に通ってる女の子達が普段着のまま、飾らず普通に会話しながらお酒作ってくれるだけ。どこそこの大学に通ってる何年生ですとか、身分明かしちゃうんだねってのも不思議に感じたけれど。そんなもんなんですかね。

 

てかてか、私としては久々会う友人と色々話したいのに、なんで第三者(女の子)交えて、

 

女の子「なんの話しですか?」

我々「いや高校の時こいつがね」

 

っていちいち無駄に行程増やして説明踏まえた会話しないといけなくなる、こんなとこに呼んでくれるなよと終始めんどくさく感じていた。

 

私はそんな気持ちでいたので心からは楽しめなかったけど需要はあるんですね。

お客さんはポツポツとですが入れ替わり立ち替わりやってくる。

知らない女の子と、友達だか恋人だかにでもなるわけでもないのに、何を求めて男たちはやってくるんだろうか。

しかし、ふと考えたら男のバーテンダーはたくさんいて、その人がかっこよかったりすると女性はその人に会いに通ったりすることもある。失礼かもしれないけど言ってみればそれはボーイズバーなわけで。(お酒作るのが上手いとかそういう話を抜きにしてしまった場合ね)

 

じゃぁここに立ってる女の子に魅力を感じた人は通うってことなのか。それなら明快だな。

 

私の友人はめっちゃ通い詰めてるみたいで完全な常連さんらしい。後でやってきたママともずっと話していたし、バーなのに裏のスタッフルームで作ったチャーハンとか食べてたし。まさに裏メニュー。

 

でもそのママとの話しの内容、

 

「最近膝が痛くてさ」

 

艶っぽさの欠片も無い会話じゃないか。ガールズバーってこんな感じなのかなぁ。それ以外にもその店の経営についてけっこう突っ込んだ話ししてたし、客がママの経営やら健康の相談受けてるんだろう。。。

 

まぁ、それだけ私の友人がその店の常連すぎる常連ってことなんでしょうけど、初めて行ってる私にとっては不思議すぎる空間でした。

 

そうそう、知らない女の子と友達だか恋人だかにでもなるわけでもないのに、何を求めて男たちはやってくるんだろうか。と書きましたが、私の友人は常連だけあってその店の子を何人も連れ出して外で遊んでるみたい。遊んでるっていってもご飯一緒に食べてるくらい、、、らしいけど。

 

女の子からしたら美味しいとこ連れてってもらえて、友人からしたら若い女の子連れ回せる自分に酔ってでもいるのか、なんにせよ互いに持ちつ持たれつな関係作れていいのかも?なんて冷静な目で見守っていた。

 

そんな野望や、知らない女の子と酒飲んでウェーイな感覚全くない私にはガールズバーってのは気乗りしない、多分次行くことはないなぁ。(けど、後日談だが友人がそこで働いてた女の子を鍼屋に連れて来てくれたので、こんな風に顔を拡げていく営業方法もあるんだなーと実体験しました)

 

その日私が一番面白かったと感じたことがあって、その友人、まぁ見た目はお世辞にもカッコイイとは言えないし150kg超の体重もありスタイルが良いとも言えないのだけど、自分にすっごい自信を持っていて、

 

以前私に

 

「この女を落としたいと思ったら俺は必ず落とせる。そういう会話のプロセスを俺は持ってる」

「不細工な分そういう努力をしてるから阿部君なんかよりずっとモテるよ」っと、別にモテる発言なんてしたことないしモテる生活を送ったことの無い私に向かって何やら高々と語っていたんですよ。

 

そしてその、昔話していたプロセスの一端を垣間見れる機会がその時来ました。

 

その日、そのお店での出勤3日目で、常連である私の友人とも会うのは初めてというガールがいたんですよ。

連れまわせれば誰でもいいのかこいつと思えるくらいのスピードで、その子がカウンターに立った瞬間に口説きにかかってました。

 

「食べるの好き?」 っと女の子に聞く

「好きです」 質問に答える

「何が好き?肉は?魚は?」 っと質問をテンポよく重ねていく

「ん~。。。お肉好きです」 考えまとまらないうちになんとなく答える

「肉?カツは?カツならあそこにいい店あるよ。ほら写真」 とにかく早いスピードでiPhoneを見せる。

「あ~美味しそうですね。あ、お好み焼きとかも好きです」答えながら、自分の考えが出てきたみたい

「お好み焼きか~、あ、あそこにいい店あるよ、近くに有名なラーメン屋もある、ほら写真」 どんどん追い立てる!メニュー写真もどんどん見せていく。 

 

「へー、どれも美味しそう。食べてみたいですね~。」 素直な感想を述べる

「そうでしょ、じゃぁ行ってみない?」 ここで誘引。

「・・・・・」 写真を見ながら笑顔。質問には特に答えない。

 

そして、友人は続ける。

「今色々見てて俺とご飯行きたいなって思ったでしょ」 っと一方的にまくしたてる。

 

そして女の子は一連の流れの中、ここで悟り、答える。

 

「あ、私二人でとかは無理です。」

 

 

私はここで心の中でプププっとひと笑い。断られてやがる。

 

友人の組んでた落とせるプロセスってのはとにかく勢いでご飯に行く約束をこぎつけるようなものらしい。そういえば昔語っていた時にそんな事も言ってたような。告白に至るまでの道のりを予め細かく設定してあるとか。相手の気持ちを少しづつ盛り上げていき、最高潮の時に落とすとかなんとか。ご飯に誘い出すってのはその第一歩。

 

目の前で、あれだけ語ってたプロセスの始まりを、自信満々の顔のまま断られて失敗してて笑えました。友人も二秒くらい時が止まったかの如くニヤけた笑顔のまま固まってました。

 

まぁしかしだ、実際は数打ちゃ当たるってもんで、このやり方での成功例は多いんでしょうね。この子みたく初対面のお客様の誘いを断固断るのも普通は戸惑うし、ご飯くらいならいっか、っというノリで。

もちろん友人としてはその先にある欲望を満たす為の序章なんですが。

 

その友人は妻子持ちだけど愛人も数人いて、さらにしょっちゅうそこらでこーして飲み屋なんかで会った子を、とりあえずは口説いて回ってるみたい。肉食ですね~。

 

高校時代から彼はとーーーっても、あさーーーくひろーーーい人間関係を作る人代表みたいな人だったんだけど、それが成長するとこんな感じなんだなーなんて思った一夜でした。

 

ちなみに不倫をたくさんしてても彼の家庭は円満なんじゃないかなと思います。彼自身もそう言ってましたが。

不倫する奴は一般に最低扱いされるけど、実は彼のように色んなとこで上手く立ち回り同時に複数の女性を問題を起こさないまま愛せる人間の方が、1人の女性しか愛せない男よりも女性を幸せに出来るらしい。なんて説もありますよね。愛の総量がでかいとかね。周りから見たら浮気だけど、本人からしたら全部本気。

 

周りをみてみても、確かにそういう場合もあるな~と実感します。上手く浮気や不倫をしてる人の奥さんって、けっこう幸せに暮らしてるんですよね~。あくまで上手くしてればですが。

 

私自身もだけど、未婚の人口て増えてるわけじゃないですか。

だからいっその事、日本も一夫多妻、もしくは一妻多夫制にして、友人のように器用な人間がどんどん子供を増やしていく方が子供の減少に歯止めがかかるのかもなーなんて思ってしまう、肉食男子に圧倒された夜でした。