電車で席が空いているのに人が座らない理由。
はじめまして、美容外科医のジョイ子です。
大手美容外科に長く勤務し、
美容外科・皮膚科歴は10年以上。
美容医療を上手に取り入れるコツなどを
自分の経験から綴っています。
仕事帰りの電車は、
特に長い時間乗らなければならない場合、
いかに心地よく過ごせるかはとても重要。
これはある時の私の帰りの電車の話。
始発から乗る電車で、良い席を確保して座った。
出発まで時間があったので徐々に席が埋まっていく。
その時、隣の人が席を立った。
他にもチラホラ移動する人がいる。
最初は、何が起きたのかわからない。
たまに浮浪者みたいな汚い人が乗ってくることあるけど、そういう人は見当たらない。
次の瞬間、やっと私も気づいて席を立った。
強烈な臭いのワキガの若い女性がいたのだ。
何人もの人を移動させてしまうほどの臭い。
せっかく座って帰るために一本遅らせた電車だったけど、それでも諦める決心がつくほどの強烈な臭い。
私は短い間に色んなことを考えた。
これまでの経験も含めて。
美容クリニックで働いていると、
「自分はワキガではないだろうか?」
と心配してワキ汗治療に来るワキガではない人がいる。
ワキガを自覚していてケアしているけれど、汗の多い時期には通常のケアでは足りなくてこちらが気づいてしまった同じ職場のスタッフのこと。
でも、この人の場合は、明らかに自覚していないのだ。
見た目には清潔感もあり、服やメイクも気にしている風貌なのに、自分の臭いには気づいていない。
しかし実はよくある話。
本人にとっては、もはや自然な臭いとなっていて自覚できないのだろう。
とある男性の先輩ドクターが、家族でタクシーに乗った際にそのタクシー運転手が重度のワキガだったために目的地まで乗っていられず早めに降りたことがあったという話を思い出した。
その先輩は奥さんと子供を先に降ろした後、支払いの際に
「自分は美容外科医をしていて、あなたは重度のワキガです、治療法があるのでぜひ治療を勧めます」
と話してタクシーを降りたと話していた。
私のおせっかいの性格が邪魔しそうになる。
あの女性に教えてあげようか…
何を言っているのか理解されなければ、ただ恨みを買ってしまうのか…
いきなり知らない人に話しかける勇気もないし、まして自分を名乗る勇気はもっと持ち合わせていない…
もっと身近な誰かが助けてあげてください、と思うようにした。
ワキガは絶対治療すべき、と思っている訳ではない。
でも、私たちが通常髪を整え、歯を磨いて清潔感を持って人と接するのと同じように、最低限の臭いのケアも必要になってくるだろう。
タクシー運転手のように接客業ともなればなおさらだ。
あの女性は、混んでいる電車で自分の周りだけ人が座らない状況に疑問を感じて一歩踏み出しても良いはず。
治療には、
◎注射であるボトックス
◎レーザー治療のミラドライ
◎手術でワキガの汗の腺を取るもの
と様々な選択肢があるのだ。
ワキガに関係なく、汗をかくとその後には臭いが発生しやすい。
長時間の手術の後は私も汗だくになっていることがあるので、自分も気を付けなければと思うところです。