さとちゃんのブログ

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 忘れられないほどの恋を人は人生で何度経験できるのだろう。仕事のため自宅でパソコンに向かいながら、ふと、考えた。いつもそうだ。意識などしていないのに、それはいきなり私を襲う。机に丸く型を残すくらい汗をかいたコップのアイスコーヒーを飲み干す。「時間が解決してくれる」

そうつぶやいてみた。目に涙が浮かんでくる。いつまでこんなことを繰り返さなければいけないのだろう。私はパソコンを閉じ、「小太郎」とともにベッドへ逃げる。小太郎は高校生の時からずっと私を見守ってくれている赤ちゃんアザラシのぬいぐるみだ。小太郎を抱いているとすごく私は落ち着く。そのまま眠りにつく。

 

 「大変な裏切りをした。今からそっちに行く。仕事終わったら会ってほしい。」

車でちょうど職場の駐車場についた、夜勤前の私に、彼からいきなりメールが来た。私は秋田に、彼は富山という遠距離恋愛を続けて3年目。次の春には富山で一緒に生活することが決まっていた。いわゆる結婚だ。私はそんなに鈍感ではない。このメールで何が起こったのか、彼が何を私に言うか、すぐにわかってしまった。そこには冷静な私がいた。車の運転席で一つ大きく深呼吸し、車を出て職員専用入口に向かった。

 こんな時に限って仕事は時間通り終わってしまった。更衣室で仕事を終えたことをメールすると彼は既に駐車場にいた。長い付き合いだ。終わる時間もわかっている。外は一二月の夜中の秋田。深々と、外灯のオレンジ色の光に照らされながら静かに雪は降り続いていた。私が出てきたのに気づいた彼は、レンタカーを借りたのであろう、車から出てきて私に近づいてきた。

「どうしたの?いきなり。」

と、わかっているのに私は聞いた。そう、どうか、どうか違っていて欲しいという切なる私の祈りが籠っていた。

「あの・・・。・・・・・・。」

「寒いんだけど。車の中で話さない?」

車の中に場所を移した。沈黙が続く。先に耐えられなくなったのは私だった。

「浮気した?」

「うん。」

「子供作ったの?」

「うん。・・・・ごめん。」

声にならないようなささやきくように彼は言い、泣き出した。そう、私の予想は的中してしまった。それまで私は冷静だった。本当に冷静だったのだ。ギリギリで保っていたのだ。しかしながら、感情が溢れ出してしまった。彼の顔をみて、思いきり平手打ちをした。人生で初めて男の人を殴った瞬間だった。