それは昨年の冬の終わりのことだった。

きつくしまったびんの蓋を開けようと力いっぱい捻ったら、右二の腕が


ピキッ


ってなって痛み出した。

物凄くいたいとか、腫れるとかはなかったが、かぶりものを脱ぐ時に一度に服が脱げなくなり、痛くない体制を探りつつ脱がなければならなくなった。

可動域が狭くなり、腕が完全に上がらなくなってしまった。困ったのが小さいリュックを背負うとき、右から背負えなくなってしまったこと。人の多い場所で持ち方を変えようとした時に左から背負えるように持たなければならないのがとても不便だった。

歳をとった人が膝や方がいつも痛いと言っていた感じに、ついに自分もなってしまうのかとガッカリしてしまった。

それまでなら1ヶ月もすれば自然と治っていた体の痛み、3ヶ月もすると痛みが来ないように行動、痛みと共に生活する様になっていた。

最初に痛みがきたのが冬から春の変わり目、次の冬、オサレなスーパー銭湯でマッサージを受けた時に


50肩宣告


を受けてしまった。

そのマッサージ師さんが痛みを庇っていた筋肉をほぐしてくれた。

オサレスーパー銭湯だったので若いイケメン


痛みは少し残ったものの、だいぶ軽くなった。そしてその時、イケメン師から、


そのうち痛みも消えますから


と言われた。

年寄りは痛みと共に生きていくんじゃないのか?

とその時は懐疑的だった。


今年の1月、再びオサレスーパー銭湯でマッサーを受ける。

昨年春の人事異動後、久しぶりに命の危険を感じる忙しさにバキバキの身体で受けたマッサージの気持ち良さがクセになってしまった。

その時はまだ少し痛みを感じていたようなきがするが、それから1ヶ月だった最近、痛みがすっかり消えていた。

2月から3月は研修オフシーズンで、割とのんびり働けたことや、発作的に始めたバレエもよかったのかもしれない。

痛みが長引いた時は、もうこれからは体のあちこちが痛い老人になってしまうのかとがっかりしてしまった。

更年期障害もだいぶ落ち着き、ホンモノのババアになってしまったのかもしれない。が、バレエを始めたので、体に気をつけて衰えに抗いたいと思う今日この頃だ。