最近更年期障害について公に語られるようになった。その解決法はだいたい


栄養バランスの取れた食事

ストレスをためない

適度な運動

脱ぎ着のしやすい服装


治療は漢方か

ホルモン充填


これ、乳がん治療中だと無理ですからっ!


ネットで語る医師どもに、何度ムカついたか!


もしかして、今現在、どこかで苦しんでいる人に誰かが気がついて、寄り添ってくれればと思い、自分の苦しかった更年期症状について残しておく。


まず苦しかったのが睡眠不足。

乳がんで手術することになり、まず


自分の余命は想像以上に短いのかも


という恐怖が生ずる。

そこからストレスにより、眠れなくなった。

私の場合は手術前後から深く眠れなくなった。手術前は恐怖から。手術後は手術という大怪我や、手術で使用した薬物(麻酔薬の永久?)か、はたまた摘出した乳腺の影響や、術後6ヶ月受けたホルモン療法の注射のせいなのか理由はよくわからない。

特に注射とタモキシフェンが始まってから、気持ちの持ちようが変わり、それまであったウキウキがあまり感じられなくなった。

と同時に、深夜必ず大汗をかき、某推しカツ用の大型うちわでしばし仰ぎ、再度眠りにつくようになった。

深夜の大汗は術後3年は続いた。手術直後は通勤に1時間30分かかっていたのもあり、日中の眠気が酷く、頭の回転も悪く、治療で計3ヶ月ほど休み、その後も毎月治療で休んでいたにも関わらず、咎めずに見守ってくれた上司や同僚には感謝するばかりだ。

3年過ぎ、夜中の大汗で目が覚めなくなってからは


ああ、元気になった


と思えるようになった。

手術後は放射線治療の影響もあり、健康な時の3分の1くらいしか活動できず、このまま仕事をしながら子供達を大人までしてあげられるか不安だった。

結局手を抜き投げたし、上娘は浪人、下息子は中学不登校になりながら、大学生、高校生となり、母業もあと一息というところにした。


生理は乳がん発覚直前は、やや周期が乱れたり経血の量がへったり、にも関わらずダラダラと続いたりしていた。

そして以前は排卵を過ぎたあたりから眠くなったり気分が落ち込んだりしたが、生理開始、2にち目を過ぎると元気になっていたが、生理が来てもスッキリせず、いつまでも疲労感残ったりしていた。 

じつは丁度手術くらいの時期に生理が来るはずで、ドキドキしていたが、そのまま止まってしまった。

が、そのようなことは


治療中一切聞かれず、

相談する機会もなく、

心配なら婦人科へ


というアドバイスはなかった。

ホルモン治療を行うのだから、当然女性特有の体調に影響があるだろうに、それに対するアドバイスは一切なかった。


気になることはありますか?


とは聞かれるものの、これは果たしてわざわざ先生に話すことにも思えなかった。

大体女医さんのお見立ての手術のおかげで、かろうじて乳頭が残り、抗がん剤治療を受けなくても6年経った今も再発していない。

酷い更年期が出たとしても、癌細胞を増やさないためには仕方がない。


深く眠れずに体調が悪かったことも、睡眠を促す薬が処方されれば違ったのだろうか?

睡眠を促す薬はなかなか難しい薬だ。


大学病院で担当医になった女医は高い専門知識を持った優秀な医師だったと思う。

だからこそ、何も知らない一般人が聞いていいのかわからないことが多かった。

できれば、専門知識を一般人が聞いてもわかるくらいに説明でき、それを高度な技術を持った医者に相談していいか一緒に考えてくれるプロのアドバイザーがいてくれたらなと思う。

無償とは言わない、有償でも構わない。

そういう役割は本来は医者や看護師の仕事なのかもしれないが、重かったり、難しい病気の治療にあたる医師や看護師に、患者1個人を細かく見極めるのはなかなか難しい気がする。


自分が体験した、


(もしかすると一般的な更年期とは違うかもしれない)治療が原因かもしれない更年期症状、担当医ではなく、ある程度知識がある人に話を聞いて貰えば、あるいは何か医療的な対処のしようがあったかもしれないし、治療上仕方ないと迷わず前向きに捉えられたかもしれない。


特異事情のため、誰にも相談できず、自分がかかった婦人科の医師は相談相手の対象にはなりそうもなかった。


たかが更年期の相手をしてくれる婦人科が本当にあるのだろうか?

わざわざ探す時間がもったいないと思う自分がいけないのかもしれないが。


ただ、年齢のせいかもしれないが、最近ネットで個別の更年期について記事になる機会も増え、ありがたい。

ただ、婦人科の医師が語っているのを見ると、

「調子のいいことばかり言って」

と感じてしまう。