STEP.1本治法

陰部は肝の主りで、その病変は肝の変動です。

瘀血か湿熱なので、肝実証か脾実証です。

脾虚肝実証

肝虚脾実証

が多いです。

中には、

腎虚肝実証

肺虚肝実証

腎虚脾実証

もあります。

前陰は腎の主りでもあるので、後の3証の中なら腎虚肝実証です。

竜胆瀉肝湯証です。

中野は古方を学ぶ立場から、桃核承氣湯の「其人如」や、抵當湯の「其人發者」「其人如」などの証を参考にします。

証に随い主たる変動経絡を整脉力豊かに補い、瘀血や湿熱が下注している相剋経を瀉すと、最終的に胆経に邪気実が浮いて来ます。

脉状に応じた手技手法で瀉法します。

STEP.2​標治法

蠡溝

左右の蠡溝の圧痛を比べて圧痛の強い側に5壮、反対側に3壮、知熱灸。

左右差がなければ3壮ずつ施灸します。

STEP.3​補助療法

奇経治療

太衝ー通里に照海ー列缺を加えます。

適応側は、恥骨の高さで左右の腹直筋の外縁の圧痛を比べて圧痛の強い側の太衝ー通里と照海を取り、列缺だけ反対側に取ります。

患側の太衝ー患側の通里+患側の照海ー健側の列缺と覚えましょう。

主穴に5壮、従穴に3壮、知熱灸。

STEP.4​セルフケア

蠡溝にドライヤー灸を知熱灸の×5倍の壮数。

奇経に金銀粒を貼って、ドライヤー灸。

以上を指導します。

​陰陽虚実寒熱

基本的には激しい痒みは実証です。

陰陽虚実寒熱の別があります。

随伴症状の帯下を例にとれば、瘀血による帯下では土瓜根散、湿熱性の帯下では礬石丸、寒湿性の帯下では蛇床子散と違いがあるように、鍼灸でも証が違います。

実証だけでなく虚証や虚寒証もあります。

陰陽虚実寒熱を弁えて補瀉調整します。

​帯下の広義と狭義

狭義にはいわゆる分泌物としてのオリモノです。

広義には女性の帯脉から下の病全般を指します。

膣カンジダや陰部掻痒も広義の帯下です。

詳しくは動画をご視聴ください

https://youtu.be/-hJ1CGZuWLc?si=82DKE_fDgiYQ3Okt

https://youtu.be/f-juu0rbvXA?si=zAkB4qsF7hR-lwmE