フジワライブキ先生に施術してもらいながらインタビュー
その287
変な椅子
綿谷 あのー・・・ここのレンタルスペースに来るときに、街中でおばあちゃんたちがいっぱい集まって、なんか変なでっかい、マッサージチェアみたいな変な椅子に座ってるところがあるのですけど・・・。
藤原 はいはい。ここら辺りは、そういうお店がいっぱいありますね。
綿谷 あれって、お店なのですか?
藤原 あのー、僕が前に勤めていた整骨院の隣にも、そんなお店があったの、おぼえてます?
綿谷 あー、あったかもしれない・・・。
藤原 あのお店は、最終的にあの変な椅子を、おばあちゃんたちに買ってもらうのだそうですよ。僕の患者さんのお母さんが買ったそうです。
綿谷 あ、やっぱり、あの変な椅子を買わされるんだ・・・。
藤原 そうらしいです。100万円ぐらいする変な椅子。
綿谷 あの変な椅子、100万円もするの!
藤原 みたいですよ。で、僕の患者さんと、そのお母さんが、もめてるって話を聞きました。
綿谷 もめますよね、あんなでっかい変な椅子を買ってきたら・・・しかも100万円ですものね。
藤原 最初はタダなんですって。
綿谷 「最初はタダ」と言いますと?
藤原 あのー、その変な椅子のお店に行って「変な椅子に座ると健康にいい」っていう・・・それは無料なんです。で、おばあちゃんたちが、いっぱい集まってくるじゃないですか。タダなので・・・。
綿谷 はいはい。
藤原 で、そこで友達もできるし、若いお店の方もお相手してくれて楽しいので、毎日通って・・・。
綿谷 うんうん。
藤原 そういう状態になってある程度、おばあちゃんの数が集まったら、店側が健康食品を売りはじめるのだそうです。
綿谷 なるほどー。健康食品から売り始めるんだ。
藤原 で、くわしくは僕も知らないのですけど、最終的に、あの変な椅子をおばあちゃん方に買っていただく・・・。
綿谷 ふーん・・・で、ある時期になると、あの手のお店、なくなりますよね。その整骨院の隣にあったお店も、今はもう、ないですよね。
藤原 おそらくですけど、捕まってるのじゃないですかねぇ・・・。
綿谷 あ、そうなのですか?
藤原 たまに来られてましたもの。そのお店をチェックする人が・・・。
綿谷 チェックをする人? それは、警察の方ですか?
藤原 おそらく・・・何かしらの通報があったのか、男の二人組の方が、ずーっと店の前で、何時間も何時間も店内を見ていました。
綿谷 あー、何をやっているか見てるんだ。それは一般の方じゃないですね・・・。
藤原 で、たまに、店の人とそのチェックをする人が、言い争いをはじめて・・・。
綿谷 あらららら・・・。
藤原 あのー、ちょっと話は違いますけど・・・あれって知っています? えーと・・・アムウェイ。
綿谷 知らないです・・・「アムウェイ」って何ですか?
藤原 アメリカの会社で日用品とかを売っているのですが、商品それ自体は悪くないらしいのですけど、販売方法が独特で・・・例えば僕がアムウェイと契約します。それで、綿谷さんに「アムウェイのこの製品いいから買ってよー」って言って、綿谷さんに買ってもらうと、インセンティブが僕に入るんですよ。
綿谷 はいはい、いくらかの報酬が藤原先生に入る。それ自体は問題がないような・・・。
藤原 そうなんです。「藤原の紹介で買った」ってことで、僕にお金が発生する。それ自体は問題はないのですが、そのシステムが故に、お客さんに無理やり買わせてしまうだとか・・・なんだかネズミ講みたいになっちゃったみたいです・・・。
綿谷 ほー・・・。
藤原 人を集めて講習をして買わせてしまうだとか、嫌々契約させられてしまっただとか、悪徳商法的になってしまって、悪い評判が立って・・・アムウェイの商品自体は悪くないんです。けれど、その販売システムに問題があったみたいで・・・。
綿谷 なるほど・・・では、もしかしたらですけど、あの変な椅子も、実はモノはいいのかもしれませんね。
藤原 ふふふ。そうかもしれませんね・・・綿谷さん、あの変な椅子、100万円で買います?
綿谷 買わないですね・・・あんな変な椅子・・・。
つづく・・・