フジワライブキ先生に施術してもらいながらインタビュー
その143
「コア」の定義を決めちゃおう
綿谷 あのー、しつこいですけど、今年もまた「コア」の話をしていいですか?
藤原 はいはい。
綿谷 以前に話している内容と重なっちゃうんですけど・・・。
綿谷 藤原先生の「コア」の定義として「4つの筋肉で身体を安定させていること」というお話で。その4つの筋肉というのが「横隔膜」と「腹横筋」と「骨盤底筋」と・・・えーと・・・。
藤原 ・・・あと1個ですよ。
綿谷 ・・・あれ? あと1個の筋肉、何でしたっけ?
藤原 後ろですよ、背骨についている筋肉ですよ。
綿谷 えーと・・・僕、その思い出せないもう1個の筋肉の、語感が好きなんですよ。
藤原 ははは。「語感が好きな筋肉」ですか。
綿谷 えー、・・・あ、多裂筋!
藤原 正解です!
綿谷 やった!
藤原 綿谷さん、もうちょっと勉強すれば、鍼灸師の国家試験に受かるかもしれませんよ。
綿谷 ははははは。・・・あのー、「タレツキン」って語感が良いと思いませんか? えー・・・ウクライナの伝統的な民族楽器の演奏者で「アレクサンドラ・タレツキンさん」とか、いそうですよね?
藤原 ははははは。
綿谷 ・・・ちなみに「多裂」って何ですか?
藤原 「多裂」ですか・・・多裂筋は背骨の際に連続してある筋肉なんですが・・・。
綿谷 あ、多くの列だから「多列」ですかね?
藤原 うーん・・・「レツ」は「行列」の「列」じゃなくて、「亀裂」の「裂」ですね。
綿谷 「亀裂」の「裂」ですか・・・だとしたら。筋肉に「多く」の「裂け目」が入っているから「多裂筋」かなぁ・・・・えーと、それはそれとしまして・・・で、その4つの筋肉を「インナーユニット」って言っている文章がありました。
藤原 ふーん・・・その「インナーユニット」で「コア」を「安定させる」ということならば、何の違和感もなく納得できますね。
綿谷 で、あのー、「コア」っていうと、なんか「芯」みたいな物体がありそうじゃないですか。けど、どうやら物は、なさそうですね・・・。
藤原 んー・・・コアって和訳すると「核」じゃなかったでしたっけ?
綿谷 「核」とも訳しますね。そうなんですけど、例えば細胞の「核」みたいに、具体的な物がないんですよね。で、「コア」には「芯」って意味もあるんですよ。「core of apple」で「リンゴの芯」て訳すそうです。けれど身体の中には「リンゴの芯」に相当する「コア」と言われる物体はないみたいですし・・・。
藤原 なるほど・・・。
綿谷 前にも言いましたけど、おそらく英語だと「なんとかのコア」とか言っているんだと思うんです。けれど、「コア」って言葉だけ日本に持ってきちゃってるんで、日本語で使うと、何がなんだかわからなくなってきている・・・「コア」トレーニングって言うけど、その「コア」って何なのさ? みたいな・・・。
藤原 うんうん。
綿谷 なので、「コア」とは、その4つの筋肉「インナーユニット」で作り出す「安定」と言った方が伝わりやすいんじゃないかと思った次第でございます。・・・たぶん「重心」とか「圧力の中心」みたいな・・・物体ではないんだけど、存在している力が「コア」なのではないかと思われます。えー、以上が私の意見でございました。
藤原 なるほど。という綿谷さんからの提言なのですね。・・・なんだか話のレベルが上がりましたねー。「トレーニング業界に物申す!」みたいな話なのですね。「コアの定義はこれだ!」みたいな。
綿谷 ははは。何も知らないシロウトのくせに、偉そうでスイマセン・・・けど、何を読んでも「コア」に関しては記述が曖昧なので定義した方が良いかと思います。先生によって「コア」の定義が違うと、患者さんが困りますので。・・・あ、そうだ、僕と藤原先生で「コアの定義」を決めちゃいましょう!
藤原 ははははは。決めちゃうんですか。すごいな。「コア」の話だけで、飲みに行けそうですね。
綿谷 ははは。「コア飲み」しますか。「コア」の話、限定の飲み会。・・・酔っ払って熱くなって「お前の言っている『コア』は『コア』じゃない!」とか言ってケンカになったりして・・・。
藤原 ははは。「お前の言っている『コア』は、『体幹』であって、それは『胴体』のことだ!」とか。
綿谷 ははははは。・・・藤原先生のおかげで身体の構造に関して、だいぶ詳しくなって来ました。けれど、さっきの「多裂筋」が、「どこにあるのか?」とかまでは、まだよくわかっていませんね・・・。
藤原 じゃあ、次のステージですね・・・。
綿谷 ははは。次は筋肉の名前と位置を憶えて・・・。
藤原 それで鍼灸の専門学校の1年生は突破できます。
綿谷 ははは。じゃあ、ツボも憶えないとダメですね。
藤原 ふふふ。そうしたら2年生も突破できます。
綿谷 ・・・僕は今年、鍼灸の専門学校に入学するんですかね?
藤原 ははははは。「超特待生」として入学できると思いますよ。
つづく・・・