父の詫び状 向田邦子著

わたくしが向田邦子さんという方を知ったのは

ある深夜番組でピエール瀧とYOUの番組

お笑い芸人のカリカがコンビ名の由来を訊ねられたところ

向田邦子さんの飼い猫の名前です

と答えたのが始まりです

その時は大笑いしただけだったのですが

その後爆笑問題の大田さんが向田邦子さんは天才だ、とインタビューで答えていたのを聞いて

興味を持ち、「思い出トランプ」を読んだのは6~7年前だったと思います

何気ない日常を描いた短編もので、特別際立ったストーリーではないのですが

心を鷲掴みにされました

自分よりも2段階も3段階も深くこの世を見ている人だな、という印象で

紛れもなく天才だと思います

そして今回読んだ「父の詫び状」はエッセイ集

向田邦子さんと父や家族の話を中心に、どちらかというと自分を落とした笑いに

なっているこのエッセイ

向田さんの道化た感じにはどこか天才ゆえの悲哀を感じられます

それ以上に気遣いの人だったんだなと

戦前、戦時中、戦後と激動の時代の中にいる家族

その時代の今は無くしかかている「人情」

そして父親の家族に対する想い

読後感はすっと天に背筋を引っ張られたような

人間としての誇りを思い出された感じがしました

今の時代だからこそ、また家族を持った人にはおススメの一冊です

父の詫び状 (文春文庫 む 1-1)/向田 邦子

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