ハリネズミちゃんが背中や腹部を掻いているといったご相談も非常に多いです。
今回は、ダニやフケや真菌などで皮膚トラブルが見られないのに背中や腹部を掻いている原因について書いていきます。
ハリネズミちゃんが背中や腹部をしきりに掻いているとダニや真菌などの皮膚トラブルがあるのではないかと思い、動物病院で診てもらおうと考える方もいらっしゃるかと思います。
そして、獣医師にダニや真菌の検査をしていただいても異常が見られず、なぜ背中や腹部を掻いているのかその原因がわからない場合があります。
その原因を突き止めるためには、少し免疫の話が必要になってきます。
実は、体内で何らかの炎症反応を起こしているというのが、掻くという原因にもなっているということを覚えておく必要があります。
炎症反応は体外から細菌が体内に入り、身体の弱っている部分、すなわち免疫力が低下している部分に細菌がつき、そこで細菌が増殖することで炎症反応が出るといった仕組みになっています。
では、なぜ炎症反応を起こすと身体を掻くのかというと、身体の中で起こっている炎症部分、すなわち細菌がいるところの免疫を高めるために、体温を上昇させるからになります。
人間でもそのような経験があるかと思います。お風呂上がりや日焼けなどで皮膚の表面温度が上がると身体が痒くなるということはありませんか?
それと同じような状態が免疫が働いている時にも診られます。
炎症部分を抑えようと身体が免疫を活性化させると、血流が良くなると体温の上昇が見られます。これがダニやフケや真菌が見られないのに身体を掻く原因の一つとなっています。
動物病院での皮膚の検査で異常がなかった場合には、こうした炎症反応が体内で起こっている可能性が考えられるため、血液検査をする必要がある場合があります。
例えば、臓器に炎症が見られたり腫瘍ができていたりというのがそれにあたります。
血液検査でCRPの数値が高い場合は、細菌などによって炎症反応を起こしていると考えます。また、白血球の数値が異常に高い場合は、腫瘍の可能性を疑います。炎症反応でも白血球の数値が高くなる場合もありますので、そのような場合は獣医師とご相談いただけたらと思います。
また、逆に白血球の数値が低い場合はウイルス感染を引き起こしている場合がありますが、通常は数週間で数値が正常になります。それでも数値が正常にならない場合は、一度検査をされる方が良いかと思います。
炎症から身体の痒みを発症するということは、飼育本でもあまり書かれていない内容になります。
こうした可能性があるということを知っておくことで、ダニやフケや真菌などの皮膚トラブルがなくても、掻くことがあるということを考えるようになるかと思います。
ただし、皮膚ケアに関しては毎日おこなう方が良いと考えています。
そして、毎日の次亜塩素酸でのお掃除も大切です。
すべての生き物たちが、健やかに過ごせますように🍀