年に数件ご相談があるハリネズミちゃんの男の子の問題行動について書いていきます。
ケージの中を見ると床材などが血まみれになっていることがあります。
点々と血の跡がついているので、足の裏を何かで傷つけて歩いた跡と考え、足裏をチェックしても傷がない場合があります。
ハリネズミちゃんの女の子の場合だと、子宮の炎症による出血などを考えるのですが、今回は男の子の場合ですので、この予想は大きく異なります。
足裏からの出血ではないとすれば一体どこから出血しているのだろうか?
口の中や腹部など見ても傷口らしい箇所が見つからない場合があります。
この場合、ハリネズミの男の子特有の怪我として、咬傷(こうしょう)と言って、自分で性器を噛んでしまうことがあります。
思っているよりも出血があるにも関わらず、傷が見つからない場合は、この性器への咬傷を疑います。この傷に関しては目視ではなかなか発見が出来ず、ハリネズミちゃんが性器を舐めたり気にしている様子からわかる場合もあります。しかし、それすら気にしないハリネズミちゃんの方が多いかと思いますので、ハリネズミちゃんの男の子で思いのほか床材に血がついている場合は、この性器への咬傷を疑っても良いかと思います。
ただし、膀胱炎などで出血する場合もありますので、尿に血が混じっているかどうかで判断します。基本的に膀胱炎での出血はその量が少なく尿に混じって血が出るということが多いです。
その点から考えましても、出血量で判断が出来るかと思います。
一般的に自分自身への咬傷は自傷行為になるのですが、はっきりとした原因は分かっていません。
当店のハリネズミちゃんの観察やアフターケアなどの経験上、次のような時に咬傷が行われていると考えています。
①性器が尿などで汚れている
②床材が性器に張り付いて痒みがある
③湿気などで性器が痒くなる
④環境の変化(温度や湿度変化、ケージの移動)などによるストレス
⑤肥満傾向のハリネズミの場合、汗が腹部や陰部に溜まり痒みが生じている(男の子であれ女の子であれ、肥満傾向にあるハリネズミちゃんは、胸部を噛んで出血することがあります。)
基本的にお風呂に入れないハリネズミちゃんですので、ウェットティッシュで拭いたり、除湿器で湿度を下げたり、床材をこまめに変えるなどで日ごろから対応されるのが良いかと思います。
また、咬傷が見られた後の対処法ですが
①傷口から菌が入らないようにケージ内を次亜塩素酸で毎日消毒する
②床材を毎日交換する
③床材をペットシートなどに替えてみる
④免疫の維持のためにハリセレブプラス元気サポートを与える
⑤ストレスを考え、ハリセレブプラスさらばストレスを与える
などを行います。
動物病院を受診された場合、抗菌剤や抗生剤の塗り薬や飲み薬などを処方されるかと思います。確かに薬で傷口の化膿などは防げるかと思いますが、根本的な対処法ではないため、再度同じようなことが起こることがあります。
上記2つのやり方を合わせた対処法も良いかと思います。
当店では、病院に行かず環境に気をつけて様子を見ることにしていますが、それで症状が悪化したということはありません。
ですが、腫れが見られるなど症状に変化が見られた場合は、動物病院でお薬を処方していただく方が良いかと思います。
すべての生き物たちが、健やかに過ごせますように🍀