
うつくしいまでの暴力表現に涙。
「これは私の代表作になる」というキャッチフレーズにいつわりなし。
こういっては失礼かもしれませんが、イ・ビョンホンだけを見にきたおばさま方にはもったいない傑作バイオレンスムービーでした。残酷シーンの連続に退出される方がいたことが、残念でなりません。その暴力表現の奥にある「愛」というテーマを感じて欲しかったです。
自覚のないままボスの女を愛してしまった男。
手下が自分の女を愛してることを知ってしまった男。
暴力と掟の世界に生きる男達の愛が生み出す悲劇。
まったくもって素晴らしいじゃないですか、スタイリッシュで残酷な韓国ノワール、最高ですよ。
前半を見ていてイ・ビョンホンがかっこいいだけの典型的スタイリッシュムービーかと若干がっかりする部分もありましたが、後半どこまでも泥沼にはまっていく展開に震えがきました。
甘いスマイルでファンを魅了するイ・ビョンホンですが、その演技力も素晴らしいです。多くを語らない目だけの演技も見事でした。
監督は、監督版韓国四天王(私が勝手に言ってる)のキム・ジウンです。ちなみに四天王とはキム・ギドク「サマリア」「空家」、ポン・ジュノ「殺人の追憶」、パク・チャヌク「オールド・ボーイ」、キム・ジウン「反則王」「箪笥」です。この4人の中ではキム・ジウンだけ若干格下だと思っていたのですが、この映画で名実ともに四天王の仲間入りをはたしました。
スタイリッシュなだけじゃなく、痛さと容赦のない暴力を描いた表現手法やアクションシーンの斬新なカメラワーク、さらに哲学的に一人の男の心の揺れを捕らえた構成力とまったくいうことなしのグッジョブな演出でした。
それにしてもこのレベルのノワール作品は久しぶりに観ました。日本のノワールを独り占めにした三池崇史監督の初期の傑作、黒社会3部作に匹敵するノワール作品ではないでしょうか。
女性の方には若干厳しいかもしれませんが、「男達の挽歌」などの香港ノワールや狂犬だった頃の三池崇史が好きな方には、見逃せない映画だと思いますので、心あたりのある方は是非とも劇場へ!
<やっと映画を観れるようになりました。これからまたじゃんじゃん紹介していきたいと思いますので、あらためてよろしくお願い申し上げます。それにしても「甘い人生」よかったなぁ>
タイトル: 新宿黒社会~チャイナマフィア戦争~
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タイトル: 極道黒社会~RAINY DOG~
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タイトル: 日本黒社会~LEY LINES~
- 三池崇史の黒社会3部作・・・このころの三池監督はよかったなぁ、この頃の私は東京まで舞台挨拶を追っかけるぐらいの三池ファンでした。あの頃の牙はどこにいってしまったのでしょうか。いまじゃすっかり色物監督になってしまいました。