タイトル: ブラックホーク・ダウン

 先週ABCニュースのイラク戦争特集を見ていると、ファルージャ突入のレポートが始まりました。海兵隊突入部隊の分隊に記者が同行したらしいです。
空爆の後に突入する海兵隊の映像が流れます。
そこで繰り広げられるのはまさに都市戦でした。
路地で、曲がり角で、いつどこから撃たれるかまったくわかりません。
そして撃たれていても壁で音が反響しどこから撃たれているか特定できません。
混乱する海兵隊の隊員たち。
壁から覗く銃口、しかしそれが敵のものか味方のものかわかりません。
海兵隊は叫びます「AK47かM-16か確かめろ!」。
銃がAK47なら敵、M-16なら仲間ということです。
その混乱に拍車をかけるように、建物の屋上から手だけ出して無差別に銃撃する海兵隊の兵士。
「顔を出せ!」怒号が飛ぶ。
圧倒的な戦力を持つ味方が敵になる瞬間の恐怖。
混乱の中では無線は意味なく、怒号が飛び交う。
その中で、壁の向こうに敵がいるらしいという情報が入る。
壁は4mほどの土壁、向こう側を覗くことはできない。
海兵隊の一人が手榴弾を抜き、壁の向こうへと投げ込む。
手榴弾が炸裂する。
それに続いて悲鳴が壁を越えてくる。
その悲鳴に挙動不審になる海兵隊の隊員達。
壁の向こう側に居たのは彼らと同じ海兵隊の兵士でした。
その兵士は死にました。
彼は仲間に殺されたのです。

唖然としました。
混乱した味方が味方を殺す。
これが都市戦の真実なのかと思い身震いしました。

映画「ブラックホークダウン」では、都市戦に巻き込まれたレンジャー部隊の苦戦する姿が描かれています。そこで繰り広げられる都市戦はリアルそのものでした。しかし本当の戦争とはもっとどうしようもないものなのだと感じました。混乱と恐怖の中で、一つずつ家を占領していく間、敵はどこにいるかわからず、味方もどこにいるかわからない。こんな状態で戦うのが本当の戦争なんだと知りました。そして味方も敵もない状態で、無抵抗も民間人もないですね。わかるはずがありません。これこそが戦争の真実ではないでしょうか。

レポートの後に、イラクで初めて戦争をした若者へのインタビューがありました。
彼らの言葉は印象的なものでした。
「まるで映画のようだよ」
「すぐ近くを銃弾が通り過ぎる音を聞いて初めて戦争に来ていると気が付いた」
など、みな一様に戦争を現実感なく戦争を戦っているようです。
その中でも一番印象に残った言葉があります。

インタビュアー
「戦闘の後は、みんなで酒場でビールとか飲むのかい?」
兵士
「いえ、自分は18歳ですからビールは飲めません」
そのVTRを見たアナウンサー
「アメリカという国はビールを飲めなくとも、戦争はできるのです。」


戦争、アメリカ       「地獄の黙示録 特別完全版」コピーより



注:テレビニュースを一度見ただけなので、セリフなどの細かいところは間違っていると思います。