OECDでは、三年に一度、国際的な学習到達度調査 PISA
を実施しています。
 近年では、2012年、2015年、2018年、2022年がこれにあたります。2022年は2021年ではなく、2022年で結果は本年の12月に発表とのことです。
 結果は、つまり日本の順位は、2015年が、数学5位、読解力8位、科学2位。2018年が、数学6位、読解力15位、科学2位です。2012年は、総合点で2015年より22点高かったと言うことなので、日本はその高かった順位を落としている傾向にあります。
この結果についての評価は、ご覧の通り、1.日本の順位は下がっており学力は低下している。2.特に、読解力の低下が著しい。このようなことが世間一般では言われているようです。
 近年、順位を上げている国は、シンガポール、韓国、中国などですが、シンガポールは小さな国で教育が隅々まで徹底されていると考えられます。韓国や中国は都市部の進学校で実施されているとのことなので、どこまで数字が実態を表わしているのかは疑問です。日本においても全ての高校や中学で実施されたわけではなく、他国のことは言えません。問題は回収されたと当時の塾生から聞いた記憶があります。進学校の生徒達にとってはかなり易しい内容であったとも聞きました。
 OECDの意図としては、それぞれの国の平均的な教育水準を知るために実施している調査なのでしょうが、各国とも調査に手間がかかるとか見栄を張りたいとかの都合があり、必ずしも実態を表わしているとは言えないと言えるでしょう。しかし、日本においては、ほぼ同じ高校や中学を対象として実施しているわけですから、順位や素点については気になるところです。
 まず、日本の順位が落ちている、そして平均点との差が小さくなってきているという点ですが、これについては懸念する必要はないと個人的には考えます。従来の発展途上国の中で国家体制を整え、教育に力を入れ始めた国がたくさん出てきたからです。今まで、ほとんど教育らしきものを受けてこなかった国民が教育を受け、高等な学問まで取り組むようになったのです。つまり、世界の平均点が上がってきた訳です。逆の言い方をすると、日本の世界における偏差値は下がりました。
 問題なのは、読解力の件についてと思われます。
 人間は興味のあることについては賢くなるが、興味のないもの関心のなものについてはバカになると言う見解は,最早、皆さんにとって公理のようなものとなったと認識しています。この興味、好奇心は4歳から5歳ごろ旺盛と言われています。この年齢の子供のどうして、という質問に真摯に付き合ってあげることが、感受性を育み、将来、理科や社会に興味を持たせ、国語力の源となるのです。当然、この力は数学や英語の基礎ともなります。
 読解力の不振は、幼児期のコミュニケーション不足というのが、私見です。
中学・高校になってから、国語の成績を上げるのは難しいと言われています。答え方や文法など短期で成果の出るものもありますが、根本的にはよく文章を読みよく話しをし語彙を増やすということが必要です。ここで大事なことはやはり興味持って、その作品を読むということです。学習の根本は興味と申し上げて締めくくります。