1945年4月6日、菊水一号作戦が始動したゾ!狙うは敵輸送船団及び空母部隊!!の巻 | 第伍章「あっそう、ふ~ん!!」

第伍章「あっそう、ふ~ん!!」

主に戦史について取り上げてますが戦史には諸説ありますので、明らかな誤記以外はご容赦を!!

1945年4月4日、

 

連合艦隊が菊水一号作戦を下令したことにより、

 

第一機動基地航空部隊は大慌て!

 

4月1日に敵は嘉手納~読谷に上陸し

 

その日の内に北・中飛行場を手に入れたからです。

 

 

自らの艦砲・空爆により破壊された滑走路の修復や

 

その他の整備に一週間~十日程度かかるだろうと

 

連合艦隊は推測しています。

 

この二つの飛行場が稼働する前に

 

大規模な特攻作戦をもって敵航空戦力の撃滅と、

 

上陸部隊への増援の阻止を図らねばなりません。

 

 

 

 

 

 

敵艦船は本島周辺から慶良間にかけて

 

常時100隻以上が遊弋しております。

 

 

 

 

 

 

またフィリピンにおいて特攻機により

 

かなりの痛手を被った米海軍は、

 

ここ沖縄海域では主要部隊から

 

100km以上離れた海域にレーダーピケット艦

 

による哨戒網を形成。

 

早期に特攻機を発見し素早く

 

戦闘機を差し向ける作戦です。

 

 

 

 

 

 

一方日本軍では大本営と第32軍との間に

 

戦略的な考え方にずれが生じています。

 

大本営は北・中飛行場をあっさり手放したことを

 

第32軍の作戦方針は消極的だと指摘し、

 

両飛行場の奪還を強く要請しています。

 

 

一方第32軍は、制空権・制海権無き今

 

むやみに飛行場に突入しても、

 

空爆と艦砲によりいたずらに戦力を消耗するのみ。

 

先に陸海軍の航空戦力を以って

 

敵機動部隊を叩き、敵艦隊を本島から

 

遠ざけた後に軍主力を以って反転攻勢に出んとす。

 

と、一歩も譲らない姿勢ですよ。

 

 

 

大本営が第32軍に折れたわけではありませんが、

 

敵攻略部隊が南西諸島方面に来攻した場合

 

大規模な特攻作戦(天号作戦)はすでに

 

計画されていました。

 

 

比島・台湾・本土方面で敵攻略部隊の侵攻が

 

認められた場合の、基地航空部隊によって敵を

 

要撃する捷号作戦は、台湾沖航空戦の

 

戦果誤報に踊らされて、レイテ島増援への

 

玉突きから陸海空それぞれの戦力を

 

特に再編に取り組んできた航空戦力を

 

大幅に消耗してしまい、

 

二進も三進もいかない状況に追い込まれています。

 

 

海軍は、

 

このまま比島を攻略した勢いで

 

敵が本土近郊に侵攻してきた場合

 

受け止めきれない不安がよぎってます。

 

そこで敵が沖縄方面へ押し寄せた時は

 

がむしゃらに特攻機を投入しここで

 

なんとか食い止めようと考えています。

 

 

ところが陸軍は一歩引いたところで

 

どこか冷めた目で見ています。

 

陸軍の主眼はもはや本土決戦であり、

 

そのために兵力は温存すべきで

 

沖縄方面へ出す特攻機は、

 

あくまで敵の侵攻を遅らすための

 

遅滞戦闘程度を考えているようです。

 

 

 

 

 

 

連合艦隊は沖方面に敵艦艇が出没し

 

空爆が増えたことから、

 

3月26日天一号作戦発動を発令。

 

九州沖航空戦で大打撃を受けた五航艦は、

 

反撃に出る余力がなく、

 

連合艦隊は第三、第五、第十航空艦隊の

 

第一機動基地航空部隊全般に対し

 

菊水一号作戦を発令しました。

 

 

これまで各部隊は散発的に特攻機を

 

送り出してきましたが、

 

その大半が敵艦隊を発見することなく

 

迎撃機に落とされてきました。

 

 

そこで考え出されたのが、

 

各方面から大規模に特攻機を繰り出せば

 

必ず敵機の撃ち漏らしが生じる。

 

敵の迎撃網をくぐり抜けた特攻機が

 

敵艦隊に突入するといったもの。

 

大打撃を与えた敵艦隊に

 

大和を中心とした第1遊撃部隊が接近し、

 

砲撃によりこれを駆逐する作戦です。

 

 

 

 

 

 

特攻機の出撃は6日正午から始まり、

 

海軍は九州の鹿屋・第一国分・第二国分・串良、

 

台湾の新竹・台南から戦爆連合約400機。

 

陸軍は九州の知覧・万世・都城西・新田原から約130機が

 

沖縄を目指し飛び立ちました。

 

 

この数字を見てわかるように、

 

先ほど述べた沖縄に対する陸海軍の

 

考え方の相違が出撃数に現れています。

 

 

 

 

 

 

また大和以下の第一遊撃部隊は

 

同日15時徳山沖を出撃。

 

特攻機による敵空母撃滅を期待します。

 

 

 

 

 

 

陸軍は司偵を東シナ海上に向かわせチャフを散布。

 

敵機のいくらかはこの陽動に引っかかったようです。

 

しかし昨年マリアナ諸島が敵の手に落ちて以来

 

B29による本土空襲が繰り返され、

 

中島飛行機などの航空機生産工場が被害を受け、

 

またこれまでの熟練作業員が徴兵された分を

 

学徒動員で穴埋めしようとしてるのですが、

 

いかんせん素人が作る部品には本来不採用となる

 

物が多いのだが、ご時世がそれを許さずそのまま

 

通したがため、組んだ航空機には故障が多く

 

発生しています。

 

 

 

 

 

 

この度の出撃でも故障などで途中で引き返す

 

特攻機・直掩機が多くありました。

 

 

沖縄周辺海域を固める第58任務部隊は、

 

先の九州沖航空戦で何隻かの空母が

 

被害を受けてますが、それでも

 

未だに800機を超す艦載機を保有しています。

 

 

 

 

 

 

予想通り、特攻機の多くは直掩零戦の奮闘むなしく

 

撃墜されますが、それをすり抜けた機は

 

艦隊へ突入しました。

 

 

 

 

 

 

菊水一号作戦は11日まで続き、

 

その戦果は駆逐艦6撃沈、
 
空母6・戦艦2・その他32撃破
 
に留まっています。

 

 

敵空母部隊沈黙を期待し出撃した

 

第一遊撃部隊は翌7日、第58機動部隊の

 

攻撃隊につかまり撃沈されます。

 

 

 

 

 

 

菊水一号作戦の約350機もの特攻機は
 
残念ながら敵空母部隊までは届かず
 
その多くはレーダーピケットの駆逐艦に
 
突入していきました。
 
その戦果は駆逐艦6撃沈、
 
空母6・戦艦2・その他32撃破
 
に留まっています。
 

 

彼らのほとんどは飛行予科練習生や
 
予備士官が占めています。
 
彼らには敵機と遭遇した時、
 
回避行動を取るだけの技術などなく、
 
ただ編隊飛行を継続し
 
直進するのみです。

 

 

敵艦を発見しても上空から艦の種別の

 

判別力までは備わっておらず、

 

ましてや死を目前にした若者に対し

 

冷静な判断を要求するのも酷な話で、

 

(推測するに、相当の興奮状態だったのでは)

 

連合艦隊が期待した空母殲滅や

 

輸送船団の撃滅など到底無理な話でした。

 

 

仮に出撃数日前から

 

雑魚はほっといてあくまで空母を探せ!

 

と再三指導したとしても

 

敵艦を発見したらやみくもに突入しようと

 

するのは当然の心理ではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

第一遊撃部隊を本気で沖縄に突入させ

 

砲撃戦で輸送部隊を殲滅したいと考えるなら、

 

連合艦隊はもう少し綿密な計画を立てて

 

出撃させるべきでしたね…、残念です。

 

 

 

 

 

 

空母ハンコックは、大和への攻撃隊を出した後に

 

特攻機に突入され、大破しました。

 

もう少し早く発見できていれば、

 

大和への攻撃は半減したでしょうに…。

 

 

 

 

 

 

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