1945年4月6日の菊水一号作戦の第一目標は、たしか敵空母のはずやったのに…の巻 | 第伍章「あっそう、ふ~ん!!」

第伍章「あっそう、ふ~ん!!」

主に戦史について取り上げてますが戦史には諸説ありますので、明らかな誤記以外はご容赦を!!

関行男大尉らの行った最初の特攻作戦では、

 
目標は敵空母。
 
空母の飛行甲板を一時的に使用不能にさせ、
 
その間に大規模航空作戦を展開。
 
制空権を確保し、レイテの敵上陸部隊を
 
壊滅させると言うものでした。
 
 
ここでこの先の戦局に与える
 
極めて重要な誤算が生じます。
 
 
 
 
 
 
各基地を飛び立った特別攻撃隊は、
 
空母1撃沈、空母4に損傷を与える
 
戦果を挙げ、特攻こそが戦局を挽回できると
 
誇大妄想に陥ってしまったこと。
 
 
しかし今回沈んだのは
 
レイテ島沖の輸送艦隊の上空援護を
 
目的とした護衛空母群の
 
タフィ―3だったこと。
 
しかもこのタフィ―3は
 
特攻機の洗礼を受ける前は
 
栗田艦隊に追い掛け回されてました。
 
双方ともタフィ―3を
 
ハルゼーの正規機動部隊と
 
勘違いしてしもたことなどが挙げられます。
 
 
 
 
 
 
1945年4月1日、
 
沖縄本島に接近した敵艦隊は
 
この日に上陸を開始します。
 
 
これを受け大本営は
 
陸海軍全機特攻化が決定され、
 
6日正午、海軍の菊水一号作戦と
 
陸軍の第一次航空総攻撃が発令されました。
 
九州と台湾の各航空基地から
 
約300機の特攻機が沖縄を目指します。
 
 
 
その中の一つ、
 
第1八幡護皇隊は宇佐海軍航空隊で
 
開隊した特別攻撃隊です。
 
宇佐海軍航空隊はもともと
 
空母搭乗員の訓練基地として始動。
 
しかし戦局に悪化に伴い
 
1945年2月、特別攻撃隊編成命令が下ります。
 
ここで八幡護皇隊を編成。
 
 
 
宇佐航空隊の99式艦爆22型を背に記念撮影をした
神風特別攻撃隊八幡護皇隊艦爆隊員
 
 
 
4月2日、
 
第一八幡護皇隊・第一護皇白鷺隊の
 
艦攻隊は串良基地に進出。
 
艦爆隊は第二国分基地に進出。
 
 
6日午後、
 
第一八幡護皇隊・第一護皇白鷺隊の
 
艦攻約30機は串良基地を出撃。
 
 
 
 
 
 
第二国分基地からは、第一八幡護皇隊・
 
第一正統隊・第一草薙隊の艦爆46機が出撃。
 
 
 
 
 
 
彼らが飛び立つ2時間前に
 
陸軍の司偵が東シナ海上にチャフを散布。
 
陽動を図ります。
 
 
そして間髪を置かず台湾・九州各基地から
 
約300機もの特攻機が飛び立ちました。
 
 
作戦本部はどうやら
 
大挙して攻撃を仕掛ければ
 
必ず撃ち漏らしが生ずる、
 
また迎撃機のいくらかは
 
チャフに向かうと踏んだようです。
 
 
しかし各攻撃隊の隊長こそ
 
そこそこの経験を積んでいますが、
 
残りは圧倒的に飛行予科練習生や
 
予備士官が占めています。
 
彼らには敵機と遭遇した時、
 
回避行動を取るだけの技術などなく、
 
ただ編隊飛行を継続し直進するのみです。
 
果たして敵機動部隊上空まで
 
たどり着けるのでしょうか?
 
 
 
 
 
 
15時を回った頃から敵機が押し寄せ、
 
特攻機はバタバタと落とされていきます。
 
 
 
 
 
 
ところがところが、作戦本部の読み通り
 
敵の迎撃網をすり抜けた
 
特攻機が敵艦上空に迫ります。
 
 
中には一艦に5機が突入した
 
ケースもありました。
 
 
ここで敵艦の被害状況を少し見てみましょう。
 
 
 
レーダーピケット艦の駆逐艦コルホーンと
 
ブッシュには2機ずつ突入され、
 
ほぼ轟沈に近い状況です。
 
 
 
コルホーン
 
ブッシュ
 
掃海駆逐艦エモンズには3機突入、その後自沈処分
 
戦車揚陸船447号に1機突入、
ガソリンに引火し爆発後沈没
 
 
 
弾薬補給艦ローガンビクトリーは、
 
渡嘉敷島と阿嘉島の中間地点で
 
攻撃を受け、積荷の弾薬に引火し
 
大爆発ののち沈没。
 

 
 
 
弾薬補給艦ホップスビクトリアも
 
同様に弾薬に引火し爆沈しました。
 
 
軽空母サン・ジャシントは、
 
向かってくる特攻機を全て撃ち落としますが、
 
1機が至近となって軽微な損傷を受けました。
 
 
 
 
 
 
駆逐艦モリスは、レイテ沖でKAMIKAZE攻撃を
 
受けた際、これを撃退した自信がありました。
 
モリス上空に現れた97艦攻に
 
対空砲火を浴びせ、撃墜したかに思われましたが、
 
被弾しながらも1番砲塔と2番砲塔の間に激突。

発生した火災はやがて鎮火しましたが、
 
被害甚大のため後方に後退。
 
 
 
 
 
 
駆逐艦ニューコムには3機が突入。
 
被害甚大で後方に下がります。
 
 
 
 
 
 
駆逐艦ロイツェは、
 
先に3機突入されたニューコムに接近し
 
消火作業を手伝ってる最中、艦中央付近に
 
突入され火災発生と浸水します。
 
鎮火後曳航され慶良間に後退。
 
 
 
 
 
 
駆逐艦マラニーには
 
17時半頃KAMIMAZEが現れ、
 
1機が艦後部に激突。
 
一時は退艦命令が出ましたが
 
その後鎮火し曳航され後退。
 
 
 
 
 
 
駆逐艦ハリスンは1機が至近となって
 
軽微な損傷を受けています。
 
 
 
 
上空警戒の敵機を振り切り、
軽空母ベロウウッドに突入寸前の零戦
 
 
 
菊水作戦初日は、
 
撃沈6、撃破は空母3を含む
 
合計37隻にも上りました。
 
 
 
軽空母ベロウウッドに突入した
上記の特攻機は至近弾となった
 
被弾しながらも目標を狙う九七艦攻
 
対空砲火を避けるため超低空で急速接近する九七艦攻
 
爆弾を投下した後敵艦に体当たりした九九艦爆
 
 
 
特攻機に随伴した戦果確認機が
 
特攻機の突入に刺激され、
 
自らも突撃し
 
未帰還になったケースがあり、
 
正確な戦果が判明してません。
 
にもかかわらず五航艦などは
 
おおよそ推測される戦果に納得します。
 
 
お偉さんたちはここで重大な
 
ミスを犯したことに気づいていません。
 
各部隊は本来の目標である
 
敵機動部隊の空母を
 
目指さなければいけません。
 
それなのに各隊は
 
敵の陣営の最外郭に当たる
 
レーダーピケット艦に集中して
 
突入してしまいます。
 
 
この日は大和以下の第一遊撃部隊も
 
呉沖を出港し沖縄を目指しました。
 
 
ここで討ち漏らした敵空母の艦載機は
 
翌日大挙してこの艦隊を襲い、
 
袋叩きにしてしまいます。
 
 
 
 
 
 
雑魚はほっといて、
 
ただ空母のみを目指しておれば
 
撃沈とは言わんでも
 
せめて飛行甲板を使用不能にした
 
空母があったかもしれません。
 
第一遊撃部隊に向かう敵艦載機の数が
 
半減すれば、
 
あるいは沖縄に到達できてたかも。
 
各司令官の特攻隊員への
 
最後の詰めが甘かったようで、
 
みすみすチャンスを逃したことが
 
残念でなりません。
 
 
 
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