帝国海軍もメッチャ頑張って、太平洋全域で多くの敵艦を沈めてるゾ!!沖縄海域編の巻 其之肆 | 第伍章「あっそう、ふ~ん!!」

第伍章「あっそう、ふ~ん!!」

主に戦史について取り上げてますが戦史には諸説ありますので、明らかな誤記以外はご容赦を!!

電波兵器は戦時中、急速に発展しました。
 
早期に敵の存在を察知し、適切な防衛を行うためです。
 
 
日本軍が特別攻撃隊を編成し、攻撃を加えてからは
 
大型レーダーを搭載した『レーダーピケット艦』を
 
艦隊最前列に配置するようになりました。
 
それとウルフパックを構成する潜水艦も、
 
敵艦・航空機の動きを逐次打電し、
 
レーダーピケット艦と連動して
 
早期警戒・迎撃態勢を取れるようになりました。
 
 
沖縄戦では、残波岬を中心としてレーダーピケット艦を
 
周囲360度に配置し、万全の体制を整えています。
 
 
 
 
 
 
 
迎撃機をかいくぐった特攻機が最初に目にするのが
 
レーダーピケット艦であり、恰好の攻撃目標となります。
 
 
掃海艇エモンズはレーダーピケット任務中の4月6日、
 
菊水一号作戦初日に特攻攻撃に見舞われる。
 
弾薬庫に引火し大爆発を起こし、
 
復旧不能と判断され自沈処分となりました。
 
 
 
 
 
 
エモンズは現在海底40m辺りで原形を留めてるので
 
沖縄で格好のダイビングスポットとなっています。
 
 
 
 
 
 
同日、駆逐艦ブッシュとコルホーンは
 
レーダーピケット任務中、
 
それぞれ3機の特攻機に突入され沈没。
 
 
 
ブッシュ
 
コルホーン
 
 
 
駆逐艦ルースは、
 
慶良間諸島泊地に対するレーダーピケット任務で
 
粟国島西方に位置していたところ、
 
菊水五号作戦発動中の5月4日朝、
 
2機の特攻機が命中しわずか5分ほどで沈んでいきました。
 
 
 
 
 
 
同日、伊平屋島北方にて哨戒中のモリソンも特攻機により沈没。
 
 
 
護衛駆逐艦オバーレンダーは、イングランドとともに
 
周辺海域の哨戒に当たってました。
 
5月9日、台湾の第十八大義隊が飛来し、この2艦に命中。
 
大破の後オバーレンダーは自沈処分。
 
イングランドはソロモン海域等で
 
6隻の日本潜水艦を撃沈したいわくつきの護衛駆逐艦。
 
この傷口がもとで10月に退役し、翌年にはスクラップに。
 
 
 
オバーレンダー
 
イングランド
 
高速輸送艦ベイツは、5月25日伊江島南方で特攻機により沈没
 
 
 
 
伊平屋島西方海域で哨戒中の駆逐艦ドレクスラーは、
 
これまで数機の特攻機を撃墜してて意気揚々。
 
5月28日、侵入してきた特攻機は被弾して墜落したと思った瞬間、
 
海面すれすれで機体を立て直しドレクスラー艦後部に突入。
 
その直後にもう1機にも突入され、これがもとで沈没。
 
 
 
 
 
 
6月10日、伊平屋島西方海域で哨戒中の
 
駆逐艦ウィリアム・D・ポーター。
 
こいつはメッチャどんくさい艦で、
 
過去にルーズベルト大統領が視察に
 
乗艦してるアイオワ向けて
 
魚雷をぶっ放した“超問題児”。
 
99艦爆の至近弾により沈没。
 
 
 
 
 
 
駆逐艦プリングルは、
 
船団護衛等の任務の後、4月15日に
 
監視エリアの外枠のレーダーピケット任務に
 
就いたところ、15日に特攻機の洗礼を受け、
 
突入後わずか数分で沈没。
 
 
 
 
 
 
4月12日、米軍兵士が
 
またまた目を丸くする出来事がありました。
 
駆逐艦マナート・L・エベールが沖縄北西エリアで
 
レーダーピケット任務に就いてると、
 
3機の特攻機が近づいてきました。
 
2機は落とされましたが、残る1機が右舷後方に突入。
 
 
 
 
 
 
その衝撃で機関停止したところに、
 
第3回神雷桜花特別攻撃隊の陸攻が近づき、桜花を投下。
 
 
 
 
 
 
資料によると、桜花は時速800km以上で飛行。
 
マナート・L・エベールの右舷の喫水線付近に突入し、
 
船体が真っ二つに折れ3分間で沈没したそうです。
 
 
この海域まで到達した陸攻は3機。
 
3機とも桜花を発射し、
 
1基がマナート・L・エベールに。
 
もう1基がスタンリーを目指すも
 
あまりの速さに桜花が艦を突き抜けてから爆発。
 
各艦の乗員は「ジャップのミサイルが来るぞ!」
 
と、恐れおののいたとか・・・。
 
 
 
 
 
 
駆逐艦ジェファーズを狙った桜花は、
 
被弾したのかあるいは些細な操縦ミスがあったのか、
 
50m手前に至近弾となりました。
 
 
 
 
 
 
その後は、4月14日の第4回に陸攻7出撃し、
 
空母サン.ジャシントの前方で至近爆発のみ。
 
 
 
 
 
 
4月16日第5回、陸攻6で戦艦ミズーリに至近弾。
 
4月28日第6回、で陸攻4で戦果なし。
 
5月4日第7回、陸攻4で駆逐艦シェイに命中するも不発。
 
掃海艇ゲイエティ手前20mで落下爆発。
 
敷設駆逐艦ヘンリーAワイリに至近弾。
 
5月11日第8回、陸攻4で桜花1が
 
駆逐艦ヒュー・W・ハッドリーに突入。
 
 
 
5月25日第9回、陸攻3で戦果なし。
 
6月22日第10回、陸攻6で
 
掃海駆逐艦エリソン・揚陸艦2に命中。
 
 
 
 
 
 
通常の特攻では、沈めることは叶わなかったけど、
 
突入成功し被害を与えたケースも多々ありました。
 
その中の一部だけですが、見てみましょう。
 
 
4月7日、第四建武隊の爆装零戦が
 
空母ハンコックに突入成功。
 
 
 
 
 
 
4月11日、エンタープライズは特攻機の直撃は
 
免れたものの、飛散した破片や至近墜落による損傷。
 
同日エセックスにも突入成功。
 
 
 
画像は1944年11月25日、
ルソン島沖でエセックスに突入寸前の香取隊の彗星
 
同日、特攻機の攻撃を受ける戦艦ミズーリ
 
5月11日、バンカーヒルは2機の特攻機が30秒の間に激突し炎上
 
 
 
13日、エンタープライズは富安俊助中尉の巧妙な
 
操縦により対空砲火をかいくぐり前部エレベーター付近に突入。
 
前部エレベーターは爆発の衝撃で吹っ飛んでしまった。
 
 
 
 
背面飛行でエンタープライズに突入する富安機
 
 
 
 
しかし、エンタープライズちゅうやつは
 
ほんまにしぶといですねぇ。
 
大鳳は、飛行甲板の装甲化等により
 
被弾しても被害を最小限に留める設計や!
 
と言いながら、敵潜の魚雷1本で沈んでもた。
 
敵空母のダメージコントロールが
 
いかに優れてるかを証明するような
 
エンタープライズの戦歴ですね。
 
 
 
富安中尉も実に素晴らしい。
 
画像を見れば、50番(500kg爆弾)を積んでるやないですか!
 
これで周囲の状況を冷静に判断しながら、
 
VT信管の砲弾をうまくかわしての突入。
 
 
 
映画「永遠の0」の主人公、宮部久蔵が最後は特攻隊として
 
空母タイコンデロガに突入するシーンでは、敵の砲火を
 
上手くかわしていくシーンが描かれていましたが、
 
富安中尉の操縦技術をイメージして描かれたのでしょうか。
 
 
 
 
 
 
 
 
沖縄戦の終了で菊水作戦も終了し、
 
以降は本土決戦に備えて戦力を温存します。
 
(散発的な攻撃はありましたが)
 
 
菊水作戦は十号まで実施され、
 
海軍機940機、陸軍機887機を投入。
 
海軍2045名、陸軍1022名が散華。
 
 
それに対し敵の損害は艦艇36隻が撃沈
 
米軍の戦死者4907名、負傷者4824名。
 
 
 
レーダーピケット艦や早期警戒の小艦艇に
 
攻撃が集中したため、大型艦の沈没はありませんでした。
 
(ごく一部は敵の防衛網を突破し空母に損害を与えましたが)
 
レーダーピケットに配置についた駆逐艦は計101隻。
 
そのうち10隻が撃沈され、32隻が損害を受けています。
 
 
 
 
大本営・軍令部は
 
三千名以上の特攻隊員を突入させ、
 
彼らの命に釣り合った戦果が上がったと
 
わずか36隻撃沈で満足したのでしょうか?
 
 
 
 
 
 
 
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