先日実施された菊水九号・第十次航空総攻撃は、戦略的意義もないのに何で出したんや!?の巻 | 第伍章「あっそう、ふ~ん!!」

第伍章「あっそう、ふ~ん!!」

主に戦史について取り上げてますが戦史には諸説ありますので、明らかな誤記以外はご容赦を!!

沖縄で第32軍が首里を放棄し

 
南部に撤退を開始した頃、

 

菊水九号作戦・第十次航空総攻撃が
 
6月3日~7日に実施されました。
 
 
しかしこの頃軍令部・大本営は
 
来たる本土決戦(決号作戦)に向け
 
特攻機を温存しようと考え出します。
 
 
3航艦・5航艦だけでも
 
700機の作戦機を保有していますが
 
出し惜しみが目立ってきました。
 
 
本作戦においては海軍23機、
 
陸軍31機の投入に留まります。
 
 
 
6月3日16:30、
第百十一振武隊若桜隊は九七式戦闘機で知覧を出撃
 
恩賜の煙草を吸う第百十二振武隊必殺隊隊員
6月3日、10日に九七式戦闘機で知覧を出撃
 
 
第四十八振武隊惟神(かむらい)隊隊長堀恒治少尉
 
同日、第二国分基地から神風特別攻撃隊
第4正統隊前山富士生少尉が99艦爆で出撃
 
 
 
 
この日は摩文仁の東方海上にて
 
貨物輸送艦アレガン・歩兵揚陸艇LCI(L)90
 
に損傷を与えました。
 
摩文仁からも良く見えたそうです。
 
 
 
貨物輸送艦アレガン
 
 
 
5日、飛行第17戦隊の三式戦飛燕が
 
中城湾で戦艦ミシシッピに突入。
 
 
 
 
 
 
重巡ルイビルは、1月5日・6日
 
フィリピン・リンガエン湾で
 
2度の特攻機の命中を受け、
 
 
 
 
 
 
米本土西海岸に回航され
 
沖縄戦が開始された頃まで
 
修理を要しています。
 
傷が癒えたルイビルがのこのこと
 
沖縄近海までやって来たところを
 
5日に飛行第20戦隊の三式戦飛燕4機が突入。
 
大破しますが任務を続行し
 
真珠湾で終戦を迎えました。
 
 
6月6日
 
 
 
最後の記念撮影におさまる

第百十三振武隊天剣隊隊員たち

九七式戦と二式高練で知覧を出撃
 
台中より四式戦で飛び立った飛行第二十九戦隊
中島三夫少尉(左端)以下隊員
 
特攻出撃の前に三式戦の水平尾翼に地図を広げて
打ち合わせを行う第百六十五振武隊隊員たち
 
三式戦で知覧を発進した第百六十五振武隊
後列右はプロ野球朝日軍の渡辺静投手(少尉)
 
三式戦飛燕で知覧を出撃した第百五十九振武隊
 
知覧を離陸した第百十三振武隊中島璋夫伍長搭乗の
二式高等練習機。懸吊された250キロ爆弾が見える
 
 
 
護衛空母ナトマ・ベイは
 
写真偵察、砲撃観測、物資の投下、
 
宣伝活動、対潜哨戒・空中哨戒と
 
大忙しです。
 
 
6日早朝、ナトマ・ベイは

 

台湾と知覧から出撃した陸軍機に発見され、
 
1機が艦橋付近に命中。
 
あわや沈没かと思われましたが
 
この頃になるとダメージコントロールが
 
数段向上し、乗員の対処もすばやく
 
火災も間もなく沈火しています。
 
 

 

 

 

 

レーダーピケット任務に就いていた
 
駆逐艦ビールにも陸軍の特攻機が
 
突入してきました。
 
幸いに至近弾となって被害も最小に
 
留まっています。
 
 
 
 
 
 
敷設駆逐艦ハリー・F・バウアーは、
 
これまで13機の特攻機を撃墜しました。
 
しかし今回はついに捕まってしまいます。
 
特攻機は突入直前に魚雷を投下し
 
その後突入。
 
ところがその魚雷は不発で、
 
後に燃料タンク内で見つかりました。
 
 
 
 
 
 
敷設駆逐艦J.ウィリアム・ディッターは、
 
多くのカミカゼに狙われます。
 
3機を落としますが4機目が命中。
 
全ての動力・電力を失いますが
 
僚艦に曳航されて慶良間に
 
引き上げることに成功します。
 
 
 
 
 
 
レーダーピケット中の
 
駆逐艦アンソニーは7日、
 
特攻機1機が至近弾となり
 
側面に大穴が空きました。
 
 
この頃ともなると直援機なしで
 
特攻機のみの出撃が主となってますが、
 
石垣を飛び立った第二十一大義隊には
 
珍しく直援零戦2機が同行しています。
 
何か理由があったのでしょうか。
 
 
 
 
 
 
駆逐艦ウィリアム.D.ポーターは、
 
伊平屋島西方海上で
 
レーダーピケット任務についてました。
 
10日朝、知覧を飛び立った
 
第112・第214振武隊の
 
97式戦3機の内1機が
 
ウィリアム.D.ポーターに突入し
 
命中は出来なかったけど至近弾となり、
 
その衝撃で後部機械室舷側から浸水し
 
徐々に傾き、やがて
 
転覆・沈没していきました。
 
今回の作戦で唯一の沈没艦です。
 
 
 
 
 
 

 

本作戦では陸海軍合わせて
 
特攻機75機が未帰還となり
 
駆逐艦1撃沈、その他10隻に
 
損害を与えたに留まっています。
 
 
 
 
 
 
第32軍はすでに南部に
 
押し込められています。
 
 

 

軍首脳の方針が本土決戦に
 
変更したのならここでの特攻には
 
どのような意義があったのでしょう。
 
 
これまでの作戦のように
 
大規模な出撃は影をひそめ
 
各隊ごとに多くて10機程度の
 
出撃となっています。
 
また梅雨時期とあって
 
天候不良で引き返す隊も多くありました。

 

 

菊水九号作戦・第十次航空総攻撃
 
発動前に、決号作戦に向け
 
沖縄方面における特攻作戦は
 
中止し、本土決戦に備えると
 
一言発すれば、ここで散った
 
多くの若者の命もまた
 
救えたんではないでしょうか。
 

 

 

 
 
 
 
 
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