先日 あるニュースを観ていて、ショックだった。

2011年3月11日(金曜日)
あの当時はまだ小さな子供だった高校生が 
目の前で助けを求めていた人を 自分は見殺しにしたと。

それまで誰にも言えなかった苦しさを 今やっと話せるようになった。

津波に流される人を助けることなど 子供の身で出来るはずはないのに 
彼はそのことが心の闇になっている。本当に辛いのだと思う。
本当に苦しかったでしょうね。

東日本大震災から5年、こうしたトラウマや悩みに自分を追い込んでいる
人が出始めているという。

人を助けられず、見殺しにしたと話す高校生は 遺体を見てしまい余計に
その思いから逃げられなくなったと。


私はこの高校生を観ているうちに ンドゥング少年の事が頭を過りました。
ンドゥングは 内戦で強制的に戦士にさせられ 心ならずも人を殺し
苦しんでいた。自分は人殺しだ。
そのため ンドゥングは自分の人生を 捨てていた。

そんな彼に航一郎医師が掛けた言葉は、
9人殺したのなら 10人の命を救え。未来(の時間)はその為にある。
彼は航一郎医師から 聴診器を渡された。


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これは 映画「風に立つライオン」の1シーンです。
航一郎医師が渡した「命のバトン」
あの映画は 震災で様々な影響を受け 心を病む人にも同じように
声をかけているんだと思いました。

あの高校生も その経験を前に進む力にしてほしい。
生かされたのには意味があるのだ。

生かされた人が 悔やんで落ち込むことは 決して誰も望まない。

「風に立つライオン」を観ながら この映画の奥深さに驚き、 
こういった子たちにもっと観てもらいたい 強くそう思うのです。