こんにちは、今日は不育症の原因についてお話ししていきますね。コスモス

前回不育症についての記事を書きましたので、こちらをご覧ください。

不育症について

不育症の原因はおおきく分けると二つあります。
①・・・胎児の発生に異常をきたすもの
②・・・母体(妊娠維持)に異常をきたすもの

とあります。


①について

胎児の発生に異常をきたすものには、「夫婦染色体均衡型転座」といって夫婦のどちらかに、もともとの染色体異常があり、異常な配偶子が形成されるものです。この場合には、着床前の段階で、胚の一部を検査し、遺伝子診断を行い、疾患のない胚を移植する着床前診断を行う方法があります。着床前診断は、生命倫理的に問題があるとされるため、ARTの成功率を上げるための胚の選択を目的としたものは、認められていないのが現状です。


胎児の発生に異常をきたすものにはもうひとつ、「胎児染色体異常」というものもあります。こちらは、配偶子形成過程の減数分裂時に染色体異常をきたし、正常な胚発生が進まないもの。卵子形成時に起こるものが多い。とあります。つまりは、受精卵の分割がうまく行かないということです。卵子の染色体の異常によるものとなっています。ただ、この胎児染色体異常は偶発的に起こるものであり、次回の妊娠に影響するものではないとされています。


②について
母体に異常があるものでは、「抗リン脂質抗体症候群」「子宮奇形」「内分泌異常」などといった妊娠の維持が出来ない、もしくは子宮環境の悪化により正常な胎児発育が進まないものがあります。抗リン脂質抗体症候群では血栓が胎児の発育を障害するので、抗血小板薬の低用量のアスピリン(バイアスピリン)や抗凝固薬のヘパリンを単独もしくは併用をしながらの治療を行います。


不育症の原因の割合について
夫婦を調べてみて原因となる因子を判定できるものは、全体の約3割で、残りは夫婦に原因が特定できていません。3割に入るものには、抗リン脂質抗体症候群、夫婦染色体異常、子宮奇形、内分泌異常、偶発抗リン脂質抗体があります。これらは夫婦を検査することによって原因が分かるものになります。

検査をしても夫婦に原因が分からないものには、胎児染色体異常があり全体の4割を占めます。こちらは流産した場合に絨毛の染色体を検査することでわかるものとなります。検査をしても原因が分からないものは25%ほどあります。原因が分からないものの大部分は胎児染色体異常が占めるとされています。


着床前診断を専門的に行っている病院は、杉ウィメンズクリニックさんなどがあります。


sekimura鍼灸院 上原ヒツジ