※当SSはオリジナルの設定要素がありますので、初めて見る人は以下を参考にしていただければと思います。
真テニスのお姫様 まとめ


Genius 71「急造ペア」

木乃香「お?音ノ木のD2は珍しいペアできたなあ。」
刹那「奇襲でしょうか…?しかし、お嬢様。あまり意識しすぎるのは良くありません。」

ゴールデンペアではなく、いつもと違うコンビで来た音ノ木に麻帆良メンバー陣はどこか意表を突かれた様子だった。

裕奈「うわぁ、相手なんか見慣れないペアだねー。」
朝倉「しかも、あの高坂って人、関東初戦は出番なかったみたいだよ?」
アスナ「ふぅん。ここで聞いたことない2年生を使ってくるとはねぇ…。」

麻帆良メンバー陣はどうやら穂乃果のことを舐めているようにも見えた。

瑞希「海未先輩。あのペアのデータってありますか?」
海未「はい。テニス部副部長の桜咲刹那。京都の出身で中学時代には関西三強と言われております。対する近衛木乃香さんも同じ京都出身ですが、それがどうもうまくデータが取れなませんでした。」
カレン「データが取れないってどういうことですか…?」
海未「ベールに包まれている部分が多く、なかなかその素性がよくわからないのです。」

どこか謎が多いようにも見える麻帆良ペア。
果たして穂乃果たちはどのように挑むのか…

「ザ・ベスト・オブ・ワンセットマッチ。音ノ木サービスプレイ。」
穂乃果「よし、行くよ…!」

穂乃果のサーブから始まったこのゲーム。
自慢の弾丸サーブを披露するが…

海未「穂乃果、やはり久々の試合だからでしょうか。時速4kmほどスピードが落ちていますね。」

海未の言う通り、穂乃果のサーブは確かに迫力に欠けていた。

刹那「へえ、確かに強烈なサーブですね。」スパァン

すると刹那は瞬時に穂乃果のサーブのコースを読み切り、リターンする。

凛「ここは任せるにゃ!」

凛も負けじと、自慢のボレーを決めてくる。

凛のショットは前衛の木乃香の横を抜く。
一瞬決まったかのように思ったが…

木乃香「あっ!せっちゃん取って!」
刹那「はい、任せてくださいお嬢様!」
セイラ「嘘?あれはスプリットステップ?」

しかし刹那の動きは速い。
真姫とは違い、両足のスプリットステップだが、凛のショットに追いつく。

穂乃果「凛ちゃん、ここは任せて!」

すると穂乃果が片足一本で跳び…

水琴「あ、あれは…」
カレン「穂乃果先輩の…」
トリオ「「「ジャックナイフ!」」」

弾丸のような打球が再び後衛の刹那の元へと飛んで行く。

木乃香「あ!せっちゃん無理やわ!」
刹那「わかってます、お嬢様!」

しかしこれも刹那に簡単に返されてしまった。
いろはのラケットを尽く弾き続けたその打球をあまりにも簡単に返されてしまったため、音ノ木ベンチ陣は驚きを隠せない。

瑞希「嘘!?あんな簡単に返された!?」
水琴「あの一色さんですら返せなかったのに…。」
ニコ「いや。あの時のジャックナイフに比べて、確実にパワーは落ちているわ。」

やはり急遽出場することになっただけに、穂乃果は調整ができていなかったみたいだ。
確実に穂乃果の動きはどこか鈍い。

花陽「なんか相手のペア、不気味だね…。」
ことり「うん。これじゃまるで2vs1だね。」

しばらくラリーが続いていくが、木乃香は一度もまだボールに触っていない。
後衛の刹那が全ての打球を返し続けているだけだ。

穂乃果「あっ…!」

すると穂乃果が相手にチャンスボールを上げてしまう。

木乃香「お、来たで~。」

ついに今まで一度もボールを触ることのなかった木乃香がスマッシュの態勢に入る。

ほのりん((来る…!))

スマッシュに構えることほの。

ほのりん「「え…!?」」

しかし、木乃香が放ったのはふわりとしたドロップボレーだった。
完全にフェイクにかけられ、ほのりんは対応することができなかった。

セイラ「あ!またチャンスボール!」

再び穂乃果がチャンスボールを上げてしまう。

穂乃果(こ、今度はどっちだ…?)

穂乃果がギリギリまで精神を研ぎ澄ませる…。

穂乃果(―ッ!)

しかし木乃香の放つ打球はギリギリまでどちらを打つかわからない。

木乃香「えーいっ!」
凛「―!?穂乃果ちゃん、頼んだ!」

木乃香が放ったのは力強いスマッシュだ。

穂乃果「え…あ…。」

穂乃果はまた対応することができなかった。
するとこのせつペアに完全に主導権を握られてしまい、ほのりんペアに徐々に歪みが見え始める。

穂乃果「凛ちゃん!ここはまかs…ってあれ…?」

穂乃果が対応した時には既に凛がボレーの体勢に入っていた。

凛「あ!穂乃果ちゃん、任せたにゃ!」
穂乃果「え?あ…。」

今度は穂乃果は凛が打つとばかり思っていたため、動くことができず。

ニコ「やっぱりあの2人、あまりコンビネーションが良くないわね。」
海未「はい。やはりあの凛を上手く扱えるのは、希しかいないみたいですね。」

やはりこの急増コンビは無理があった。
試合前になって突然組むことが決まっただけに、連携不足を露呈。
コンビネーションが基本のダブルスにとって、これは致命傷である。

木乃香「やっぱりあのペア、大したことないみたいやなぁ。」
刹那「はい。しかし、まだ何が起こるかわかりません。最後まで気を抜かずに行きましょう。」

しかし、ほのりんも試合の中で徐々に相手の弱点に気づき始める。
どうやらこのペアは木乃香は完全に攻め専門。
ならば、刹那のみを徹底的に攻め続ければいいのだということに。
ところが、いくら攻め続けても刹那のスピードは衰えることがない。

刹那(なるほど…。私ばかりを狙う作戦ですね…。)

すると、刹那が極端に低いテイクバックの姿勢を取ってきた。

刹那「はあぁっ!」

そして刹那は刀を引き抜くようにして素早く振り抜く。

穂乃果(あんな低いテイクバックの姿勢から放たれる球となれば…高速フラットショット?)

構える穂乃果だったが…

穂乃果「―!?沈んだ…?」
刹那「神鳴流奥義・斬空閃」

放たれた打球は、フォークボールのように手元で急激に沈み、ほとんど跳ねなかった。

海未「なるほど、京都神鳴流ですか…。」
花陽「海未ちゃん、知ってるの?」
海未「はい。京都に伝わる剣術の流派の一つです。私も少しだけ剣術を習ったことがあったので、以前にちらっと聞いたことがあります。」
絵里「なるほど。それをテニスに応用したわけね…。」

この作戦も失敗に終わったようだ。
試合の主導権はいずれとしてこのせつペアだ。

『ゲーム麻帆良。4-0』
水琴「どどどどどどうしよう…。」
瑞希「このままじゃ1ゲームも取れずに負けちゃいます…。」

徐々に慌ただしくなる音ノ木ベンチ。

凛(―ッ。このままじゃ…。どうすれば…。ここは凛がなんとかしなきゃダメだ…!)

そして凛が穂乃果のカバーに入ろうと動こうとする。

「動くな!凛ちゃん!」

すると、観客席から突然、凛に対して声が響く。

凛「その声は…希ちゃん!?」


昨日は一日お休みすることになってしまいました。

見ての通り、絶不調ですw

かなり話のテンポも悪いですね。

でわでわ