「その、今後気管支切開とか胃瘻とかの可能性もあるってことですか?」

と、夫が聞く。

夫は訪問歯科のサポート的な仕事をしている。訪問先は体が不自由で動けない人の歯科治療。なので、軽く介護が必要な方から全介護が必要な方まで、幅広く訪問している。
だからこそ、気管支切開とか胃瘻をしている方を見るのは日常なので、まさかあそこまでになるのかと不安だったのだと思う。



主治医は、
「それは先の話ですが、おそらくその可能性も高いです」

その言葉を聞いて夫は頭を手で覆っていた。


そんなに酷い出血量だったんだと思わずにはいられなかった。
でも、まだどこか他人事のようだった。



「父には会えますか?」

「もちろんです。ご案内します。」










案内されたカーテンのむこうには、

誰だかわからない男性がたくさんの管に繋がれて眠っていた。