むかしある男が、湖のそばで木を切っていました。
ところが手が滑って、持っていたオノを湖に落としてしまいました。
男はこまってしまい、シクシク泣きました。
オノがないと、仕事ができないからです。
すると、湖の中から女神さまが出てきて、ぴかぴかに光るモノを見せました。
「おまえが落としたのは、この金のエンゼルか?」
「ちがいます。わたしが落としたのは、そんなにエンゼルではありません」
すると女神さまは、つぎのモノを出しました。
「では、この銀のエンゼルか?」
「いいえ。そんなにきれいなエンゼルでもありません」
「では、これか?」
女神さまが3番目に見せたのは、使い古したきたないオノでした。
「そうです。そうです。それが私の落としたモノです」
「そうか、おまえは正直な男だな」
女神さまは感心して、金のエンゼルと銀のエンゼルを男にわたしました。
「いや・・・」
「ほんとうにお前は真面目な男だ。」
「エンゼルじゃ・・・」
「いい夢みろよ。あばよ」
そういうと女神さまは湖の中へと入っていきました。
「俺のオノ~!」
男は金のエンゼルと銀のエンゼルを手に、シクシク泣きました。
「女神のばっきゃろー!」
人によって価値観が違うというお話だっちゅ~の。
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