カイくんの腕の中で、もう何度目かわからない絶頂の波間に揺られてわたしは感涙していた。
彼の澄んだブルーアイズがわたしを不思議そうに覗き込む。
どうして泣いているの?
どうして?嬉しいからだよ。
なんで嬉しいの?
それはね、エルちゃんがわたしがカイくんとこうやって時間を過ごすこと認めてくれたからだよ。
わたし、2人の絆の強さに感動したの。
貴方たちの愛の形は
わたしがずっと探し求めていたものに似ている。
相手を愛するが故の
束縛や所有や依存ではなくて
相手を愛するからこそ相手に自由を与える。
それに必要なことは
絶対的な信頼とコミュニケーション
風通しの良い関係性を構築するためには、たとえ1ミクロンの嘘も通用しない。
彼女が二階の寝室で寝ている。
カイくんとわたしは地下の寝室でセック スしてる。
倒錯的な状況にいつもなら興奮するわたしだけど、その夜は違った。
もっと純粋で透明度の高い感情が溢れてきた。
わたしはカイくんのこと、間違いなく本気で愛しはじめている。
エルちゃんのことよく知らないうちは嫉妬心があったのは確かだ。
でも、不思議なことに彼女に対しての嫉妬心はこの夜を境に落ち着いた。
前は、彼とセック スする度に自分の気持ちのゆらぎに一喜一憂していたのだけど、それを俯瞰で眺められるようになったと言えばいいのか。
小一時間もつれあったあと
コンドーム越しにわたしの中で果てたカイくんが呟いた。
すーちゃん、俺の彼女ともデキたらいーじゃん。
は?
なるほどねーっ♬
ってそんな簡単にイクか〜😳
カイくんはどこまでもマイペースだ。
翌朝彼らの家を出る時、二階ですでに自宅勤務を始めていたエルちゃんに挨拶に行った。
わたしの目を真っ直ぐに見つめた彼女の瞳はとても澄んでいて、美しかった。
歩み寄り、長いハグをしてくれた。
日曜日公園でピクニックしよう。
わたしたちの新しいトライアングルな関係はこうしてはじまったのだ。