猫村プロレス大賞2022 ☆最高試合賞 

2021年12月後半~2022年12月、自らが現場に足を運んで取材した大会の中より今年最高に魂が震える体験をもたらしてくれた試合に捧げます。

センダイガールズブロレスリング BIG SHOW 橋本千絋vs朱祟花 

骨太でパワフル、ド迫力にして鮮烈に美しい闘いの場に立ち会えて良かった 

記者冥利に尽きると思いました 

おふたりに心から敬意を表します

 

試合詳報ご紹介します

『センダイガールズプロレスリング〜女子プロレス BIGSHOW in 大阪〜』
日時:12月4日(日)
開始:12:00
会場:エディオンアリーナ大阪第2競技場
観衆:未発表

▼メインイベント センダイガールズワールド選手権試合 30分1本勝負
【王者】●橋本千紘
18分47秒 紅花衣→片エビ固め
【挑戦者】○朱崇花
※第10代王者、6度目の防衛に失敗、挑戦者・朱崇花が第11代王者となる。
※終了後、岩田美香がリングに上がり朱崇花と対峙、タイトル挑戦表明。

 手四つから橋本が朱祟花の足を捉えレスリングの攻防、橋本が太い腕を朱祟花のネックを絞りスタンドの態勢に戻ってもしつこくヘッドロック。逃れた朱祟花が橋本を場外へ蹴落とし自らもリング下の橋本に向かって急降下爆撃。

 

 リングに戻っても橋本に低空ドロップキックをスマッシュヒット。調子づき油断した朱祟花の足を橋本が掬い膝に大ダメージを与えると、左膝に力が入らなくなった朱祟花の動きが止まる。

 左膝を抑えのたうつ朱祟花をコーナーへ立たせて串刺しラリアットでフォールも返す朱祟花になおも橋本の足攻めが続く。

 朱祟花も反撃の串刺しヒップアタックを放つが膝に力が入らずへなへなと崩れ落ちあとが続かない。

 橋本が迅速に試合を終わらせてしまうつもりかアンクルホールドで締めあげさらに足をマットに叩きつけサンセットフリップで圧殺。

 一点集中足攻撃の橋本の腕を取った朱祟花が逆襲の腕座三角、だがこれを逆手にとった橋本が朱祟花の足を担いでマットに叩きつける。

 朱祟花もコーナートップにあがりミサイルキック、再度腕を極めるが橋本ロープに逃れる。

 橋本スピアーでフォールも2カウント。互いに譲らぬ攻防はエプロンに。

 激しい打ち合いの果てに朱祟花が橋本をリバースして抱えライトオブパッセージ、間髪入れずムーンサルトアタックを畳みかける。

 場外でダウンの橋本。レフリーのカウントギリギリでリングに戻ろうとするところを朱祟花が待ち受けビッグブートで場外へ蹴落とし、リング中央で胡坐をかく朱祟花。

 戻った橋本を今度はみちのくドライバーⅡでマットに突き刺す。互いに膝をついて打ち合い、立ち上がって更に激しく意地をぶつけあうかの打ちあい。担ごうとする橋本を逆にパワーボムで叩き落とした朱祟花だったがコーナー最上段にあがろうとしたとき橋本が追撃、なんとコーナー最上段からの決死の雪崩式オブライトで朱祟花と共にマットに落下。双方ともに大ダメージでダブルダウン。

 先に立ち上がった橋本が朱祟花に強烈なラストライド。

 

そのままフォールをするが朱祟花がカウント2.99で本能的に肩を上げる。ならばと伝家の宝刀とばかり投げ捨てオブライト。トドメとばかり全体重乗せたラリアットで朱祟花を一回転させフォールするがカウント2。

 朱祟花驚異のスタミナでゾンビの如く奮起スピンキック、ビッグブートで橋本を吹っ飛ばしてフォールもカウント2。延髄にハイキック、ムーンサルトプレスでフォールもカウント2に、天を仰いだ朱祟花が渾身の力を振り絞って橋本を高く持ち上げ、紅花衣でマットに沈めて3カウントで、最強の女から王座を奪取した。

 宿願のベルトを手にした朱祟花のマイク

「勝っちゃったー。橋本、お前はいまも昔もそして未来も私の最大で最強の唯一無二のライバル。私があろどれくらいこのリングに立てるかわからないけど私がリングを降りるその日までお前は私の対角にずっといなさい。これは新チャンピオンとしての命令です。わかったらとっとと帰りなさい。」

「さて新チャンピオンがしめてもいいですか?」

すると、このタイミングで岩田美香がリングイン、朱祟花に猛アピールを行った。

「お前がいま橋本からとったその仙女のシングルのベルと私はずっと狙ってるんだよ。」

すかさず朱祟花「ずっと狙ってたっていうけどさ、あなたこのベルトに一回も挑戦表明したことないよね。今まで橋本から逃げてたんじゃないの。」

岩田「だからいまだと思ってるんだよ。」

朱祟花「ちょっと意味わかんないんだけど。」

岩田「きょう、どっちがここに立ってても俺は挑戦表明するつもりだったんだよ。挑戦表明したから。以上。」

これに対し、はやくも王者の風格を匂わせ朱祟花が余裕の返答。

「きょうの試合を越えるのことを見せてくれるんだったら、私はいつでもどこでも受けて立ちますよ。」

岩田がリングをあとにすると、朱祟花は笑顔でようやく締めにかかった。

「仙女ってなんか硬派で強くて暑苦しくて、てちょっと堅苦しいイメージがありますけど、私がチャンピオンになったからには、もうちょっとファニーでおもしろいことを考えているんで、みなさんどうぞご期待ください。きょうはありがとうございました。」

バックステージの朱祟花のコメント。

「いや、しんどすぎ。うそうそ、しんどくない。余裕でした(笑)。いやー、今年の汚れは今年のうちにってことで、夏に負けてからリベンジっていう形で、ほんとにこの試合に掛ける想いって、いまは言えないですけどほんとにいろいろな思いが個人的にもまあいろいろとあったので、こういう言葉使いたくないけど死んでも獲ってやるっていう思気持ちで。私の手に来て当たり前の結果というか。必然だったんじゃないかなと思います。まあでもリングで言ったとおりですね。同じことはいう必要ないので橋本ちひろっていうのは私にとってなくちやならない存在なので。またやってやってもいいかなって思います。」