後から聞いた話によると愛佳は私をいじめていたスクールカーストのボス的存在の奴に私へのいじめを止めるように申し出たらしい

条件として私の身代わりになる。
その条件をのんだのだ。


自分の気持ちを押し殺していた愛佳を見て私は何もできなかった。

 なのに愛佳はなに事もなかったかのように毎日私に話しかけてきてくれた。

自分はこんなにも弱くて、ちっぽけで
卑怯なものなのだと。




そしてあの日愛佳は私の前から姿を消した



愛佳が転校してきたのは中学3年生の半ばそれは卒業式まであともう少しとい時期だった。

私は学校帰りに愛佳と最初に出会った場所へ向かった。
すると上のほうで声が聞こえてくる


「約束がちがうぞ!」

それは愛佳の声だった

私は張り裂けそうな胸を押さえながら崖の上に、走って向かった


上まで登り切ると傷だらけの愛佳が今にも倒れそうな状態で立っていた
周りにはスクールカーストの上位グループの奴が愛佳を囲んでいた

私の中で壊れかけていた心が完全に壊れた瞬間だった

友「やめろ!」


「おまえかよ笑なにしにきたんだよ」

「またいじめられにきたんですかー?笑笑」



「やれ」


「おりゃー!」

大人数が愛佳と友梨奈に襲いかかる。

愛佳も喧嘩は強いとはいえこれだけボロボロだとさすがにこの人数は相手できないだろう

私も喧嘩したことはないが出来る限り拳を振るう。


すると1人が刃物を持っていることに気づかなかった。


愛「友梨奈!」

友「え?」

愛佳は私を押しのけた  。



私は崩れそうになる体勢をなんとか立て直す



友「愛佳ー!!!」


グサっ  


友「え。」



私の声は風に吹かれて流されていった。



するとそこへパトカーのサイレンが聞こえる

山を登りにきていた人が喧嘩していると通報したらしい

他のやつはパトカーのサイレンを聞きつけすぐに立ち去った

私は愛佳の元へ駆け寄る

嘘であって欲しいと


友「愛佳!!」

愛「大丈夫だよ。だからさ、そんな顔しないでよ☺️」

友「でも血でてる!」

愛「友梨奈?友梨奈はね、決して弱い人間じゃない。
だってさ、私のこと助けにきてくれたじゃん。友梨奈は強い人間なの。
友梨奈はうちの支え。
コンビでしょ?」

友「愛佳。次は私が守るから。」

愛「カッコいいじゃん☺️」

愛「ありがとう。。。」

愛佳の体から力が抜けた

友「愛佳?」

友「いやだ。泣       やだよ。。。泣
     愛佳ーー!!泣」

そこへパトカーと救急車が到着して。
愛佳と私は離れ離れになった
私は愛佳と離れたくなくて。
警察官をなぎ倒すがいつのまにか気を失っていたらしく目が覚めると
家のベッドにいた

次の日、愛佳が運ばれた病院を警察の人に聞いても答えてくれず。
家に行っても愛佳はいなかった

そしてそれから愛佳に会うことはなかった 

愛佳に会いたい。ただそれだけだった。
それから私は心を闇に閉ざしてしまった。
向かってくるものすべてを拳で倒してきた。
でもなにも得るものはない。
痛みと悲しみが残るだけ。
私の拳じゃなにも守れなかった。
大事な人さえも。


私は木の根元に供えた花束を見つめる


「ごめんね。」


山を下り学校の前を過ぎる時。

「友梨奈!!」

後ろから呼ぶ声がする
声がする方を向くと5、6人の女子生徒がこちらに向かってきた

「こないだはよくもやってくれたな!」



友「わるい。今は喧嘩する気分じゃない」

「気分で喧嘩決められちゃこっちの身がもたねぇよ!」

「やれ!」

集団が一斉に向かってくる

私は身構えた

しかし、一人でこの人数をやるのも限度がある

一人一人丁寧に相手出来る数ではない

1人を殴り倒してもまた1人向かってくる


すると1人が鉄パイプを振り上げて向かってくる

「おりゃー!」

衝撃に備え目を瞑るが
いつまで待っても衝撃がこない

私はゆっくりと目を開ける

「こんなやつ相手にへばってんじゃねぇよ。」

聞き覚えのある声にゆっくりと目を開ける。









そこにはあの頃と変わらない
大事な人が立っていた。







「次は守ってくれるんだろう?
友梨奈。」


わたしは再び立ち上がりその人の後ろに背中あわせに立つ。


愛「うちらはコンビだ!絶対に負けない!」

友「うん!」

一瞬だが愛佳が笑う顔が見えた

それだけでよかった




また愛佳に会えたことが嬉しかった。

愛佳の喧嘩のスタイルはあの時となんら変わりない

愛佳は笑ってた
喧嘩がよっぽど好きなのか、
それか。

再会できたことにか。

再会できて嬉しいのはわたしの方だ。

結局、大半は愛佳がボコって逃げていった

今でも信じられない。
愛佳が目の前に立っている


すると愛佳から話しかけてきた

愛「ゆりな?」

友「なに?」

愛「ただいま。」

友「おかえり。」


私はおかえりと返した。

友「次は私があなたの避雷針になる」


愛佳はニッコリと笑った。








end...