群衆の中で、人とはちがう、趣向をもつ者に、おくられる称号。
颯爽と、無香料のシップを差し出した、ストールさんは、やはり、異端児といえよう。
ストールさんは、工場内では、機械への巻き困れや、異物混入、作業の施工上、邪魔とされているのにも、かかわらず、マフラーを、頑なに、巻き続ける変わり者だ。
冬場は確かに寒い。私も着けたい衝動にかられるが、工場をまだクビになるわけにはいかない。ストールさんは、極度の寒がりを主張して、会社の中で、唯一の例外を作った強者だ。
あくまで、寒さをしのぐために、会社に認めさせるため、夏場もマフラーが手放せませんと、いい放った程だ。
真夏のストールさんは、想像通り、溶けて今日いなくなるんじゃないかと思うくらいに、死ぬほど汗まみれになっている。
そんなときは、タオルにも、早変わりするマフラーは、やはり万能と言えるだろう。
ただ、ストールさんも、死ぬのはいやなのか、休憩になるたびに、持参した2リットルの水に、塩をまぜこみ、がぶ飲みしているのは、工場内では、真夏の風物詩になっている。みてみないふりをするこちらの身にもなってほしい。飲みきった、ペットボトルへ、冷水機から、給水してる姿は、修行僧にしかみえない。
次の休憩にそなえてるんだろか?
早めにペットボトルに冷水をいれても、次の休みまでには、ぬるま湯になっているはずだ。そこまで、身体のことを考えるなら、その汚い首に巻いてる雑巾を、はずせ!!
と誰もが思っている。
知っているかと思いますが、冷水機から、流れる水は、すごい勢いがよわく、ペットボトル、しかも、2リットルなどの特サイズに満杯になるには、途方もない時間がかかる。
いつも、まわりから、水を飲みたいから、どけ!って、イライラされている
ストールさんが、無事に夏を乗りきれるか、わたしは、気にしていたのは事実である。
なぜ、マフラーを巻き続けるのか?と聞いた人がいる。
返事はいたって、シンプルだった。
<スツールは、モテルから>
まちがいなく、スツールといい放っていた。