外の光がまぶしい。

先程までの、くらい気持ちが、一気に和らぐようだ。

わたしは、負けた。
あの重苦しい、空気に耐えきれず、食堂をでた。

残された、白米の山と、タニタさんのことは、すっかり頭から抜けている。

ただでさえ、たべられないご飯がもっと、食えなくなる状況にいても、悪循環になるだけだ。

とりあえず、わたしは、お昼休みにいつもの、寝床に向かおうと、歩き始めた。

[それで、それで!?]

なんだか、騒がしい。

ふと、その声のほうに、近寄ると、人だかりの、山だ。

(タンなら、しおも、タレもいっぺんにいけますよ!)

中心人物が、得意気に話す。

[うお~!!両方とも!]

一斉に騒ぐギャラリー。

もはや、叫び声に近い。群衆は、興奮から、汗を大量に書いている。

(カルビ、カルビ、ロース、カルビ。。。)

[飯は、ご飯はどうなんだ?]

(カルビの時点で、山盛り三杯は、いってました。)

[すごい!そんなにたべても、平気なんか!]

どうやら、焼き肉食べ放題に言ってきた、話を聞かせているらしい。

まったく、なんにでも、反応してしまうのが、工場の民のいいとこでもあるし、悪いとこでもある。

興奮がピークに達したとき、

中心人物は、満足をおぼえたのか、話の〆に、入ったらしい。

(あと、デザートも、食べ放題ですよ!)

あれだけ、騒いでいた群衆は、一斉に、しーんとなった。

だれひとり、しゃべらない。

たしかに、10人は、周りをかこっているのに、終了時間をすぎた工場のようだ。

なにも、いわず、みんな、離れ始める。

一人また一人。

中心人物は、あっけにとられているようだ。

いままで、自分が王様かのように、話していたはずが、まるで、夢を見ていたように、しずかに、人が去っていく。

ふと、ひとりが、ぼそっと。

[デザートは、いらん。ケーキくうなら、肉一枚でも多く食いたいんじゃ]

ここは、丸の内のオフィスや、恵比寿のオフィスで、OLあいてに、話している訳じゃない。

あいては、質より量をもとめる。工場のおじさんたちだ。

そこをきちんと、みぬけなかった、おまえの敗けだよと、わたしは、おもいながら、自分の寝床に帰っていった。