燕尾仙翁(エンビセンノウ)2


燕尾仙翁(エンビセンノウ)はナデシコ科センノウ属の多年草である。
北海道の胆振地方、日高地方と本州の埼玉県、長野県に隔離分布し、山地の草原に稀に生える。
海外では、ウスリー、中国東北部、朝鮮半島にも点々と分布している。
環境省のレッドデータブックでも、「近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧IB類に登録されている。
草丈は50~70センチくらいである。
長い卵形の葉が向かい合って生える(対生)する。
開花時期は7~8月である。
茎先に真紅の花を開く。
花びらは5枚で、深い切れ込みがある。
それぞれの花びらが縦に4つに裂け、中央の2つの裂片が長い。
まるで線香花火のように見える。
名の由来は、花の様子を燕尾(ツバメの尾)に譬えたものである。
写真は8月の箱根湿性花園で撮った。
学名:Lychnis wilfordii


★艶やかに花火飛び交う白日夢
 燕尾仙翁花を咲かせて


燕尾仙翁(エンビセンノウ)

小倉仙翁(オグラセンノウ)


小倉仙翁(オグラセンノウ)はナデシコ科センノウ属の多年草である。
熊本県の阿蘇で採集された標本に基づき、牧野富太郎氏が新種として記載した。
分布域は熊本県阿蘇地方と岡山県北西部から広島県の北東部にかけての狭い地域に限定される。
また、個体数もごくわずかで、環境省レッドデータブックにも絶滅危惧ⅠB類として指定されている。
草丈は70~100センチくらいである。
茎が細いので、他の植物に寄り添う形で生育している。
葉は平たくて細長い線形で、向かい合って生える(対生)。
開花時期は6~8月である。
花の色は紅色で、花びらは5枚である。
花びらの縁がギザギザに深く裂けており、形は撫子(ナデシコ)に似ている。
花の下には筒形の萼がある。
写真は8月に箱根湿性花園で撮った。
学名:Lychnis kiusiana

★ギザギザに裂けた花びらぷるぷると
 震わせて咲く小倉仙翁

紅合歓(ベニゴウカン)


紅合歓(ベニゴウカン)はマメ科ベニゴウカン属の常緑低木である。
原産地はテキサス、カリフォルニア、メキシコなどである。
鉢植えで売っていることが多いが、地植にしても2mを超すことはない。
開花時期は6~11月である。
花のように見えるのは雄しべで、花冠は小さい。
たくさん伸び出す雄しべは鮮やかな緋色をしていて美しい。
合歓の木(ネムノキ)を赤くしたような花なので、緋合歓(ヒネム)とも呼ばれる。
写真は6月に大船フラワーセンターの温室で撮った。
学名:Calliandra eriophylla


★小振りでも紅合歓は鮮やかな
 緋色の房を陽に煌かせ

カナダ苧環(カナダオダマキ)


カナダ苧環(カナダオダマキ)はキンポウゲ科オダマキ属の多年草である。
北アメリカの東部から中部にかけて分布している。
日本へは明治時代の後期に渡来したという。
草丈は30~60センチくらいである。
開花時期は4~5月である。
茎先から数個の花を下向きにつける。
花びらのように見えるのは萼片である。
濃い赤色や黄を帯びた赤色をしている。
写真は5月に箱根湿性花園で撮った。
学名:Aquilegia canadensis


★赤と黄のコントラストがどことなく
 洋風だよねカナダ苧環

大千成(オオセンナリ)


大千成(オオセンナリ)はナス科オオセンナリ属の一年草である。
原産地は南アメリカで、チリとペルーに分布している。
日本へは江戸時代の末期に渡来した。
草丈は50~100センチくらいになる。
葉は卵形で先が尖り、縁には不規則に粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
長さは5~10センチくらいで、まばらに毛が生え、互い違いに生える(互生)。
開花時期は7~9月である。
葉の脇から細長い花柄を出し、その先に1つずつ花をつける。
合弁花で、花径は3~4センチあり、先が浅く5つに裂ける。
裂片は淡い青色で、筒部は白い。
実は酸漿(ホオズキ)と同じように球形の液果(中身に液をたくさん含む果実)で、袋のような大きな萼に包まれている。
有毒なので食べられないが、切り花やドライフラワーなどに用いられる。
写真は6月に都立薬用植物園で撮った。
学名:Nicandra physalodes


★咲く花は平凡だけど秋になり
 袋つけたらまた見に来てね

柳薄荷(ヤナギハッカ)


柳薄荷(ヤナギハッカ)はシソ科ヤナギハッカ属の多年草である。
1属1種である。
南ヨーロッパから西アジアにかけて分布し、英名ではヒソップ(hyssop)と呼ばれる。
名の由来は、柳(ヤナギ)のような葉の形をしていて、薄荷(ハッカ)のような香りがするというところからきている。
葉はハーブティーや料理の香りつけとして利用され、花はポプリにも用い、観賞用に植栽もされる。
草丈は40~60センチくらいである。
葉は長さ2~4センチくらいの線形で、向かい合わせに生える(対生)。
開花時期は6~9月である。
青紫色をした唇形の花を穂状につける。
花の色は、ライトブルー、白、ピンクなどのものもある。
写真は6月に都立薬用植物園で撮った。
学名: Hysopus officinalis


★爽やかな香りにつられ近づけば
 ブルーの花は姿優しく

四手沙参(シデシャジン)


四手沙参(シデシャジン)はキキョウ科シデシャジン属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、山地の草原などに生える。
海外では、朝鮮半島、中国東北部などにも分布する。
草丈は50~100センチくらいである。
葉は楕円形で先が尖り、縁にははっきりとしたぎざぎざ(鋸歯)がある。
互い違いに生える(互生)。
開花時期は6~8月である。
総状花序をつくり、青紫色の花をつける。
花冠は青紫色で細く5つに裂け、反り返る。
花柱(雌しべ)も長く突き出し、先が3つに裂ける。
四手(シデ)は玉串についた白い紙のことである。
沙参(シャジン)は釣鐘人参(ツリガネニンジン)の中国名である。
青紫色の花が後ろに反り返った独特の形を四手(シデ)に見立てたものである。
写真は8月に高尾山の野草園で撮った。
学名:Asyneuma japonicum


★造形の不思議を見せる花姿
 四手沙参咲く野は深くして

アメリカンブルー


アメリカンブルーはヒルガオ科エボルブルス属の多年草である。
原産地は北アメリカである。
アメリカンブルーは流通名である。
名の由来は、1980年代に日本に渡来したとき、学名などが不明であったため、「アメリカの青い花」とされたのだそうだ。
現在ではエボルブルスの名でも流通している。
草丈は10~25センチくらいである。
開花時期は5~10月である。
夏の暑さと乾燥に強く、匍匐枝を伸ばしながら花をつける。
写真は8月に大船フラワーセンターで撮った。
学名:Evolvulus pilosus


★昼顔の流れを組みし君の青
 陽射しの中に涼風送り

露草(ツユクサ)2


露草(ツユクサ)はツユクサ科ツユクサ属の一年草である。
日本各地に分布し、やや湿った空き地や道端などに生える。
草丈は20~30センチくらいである。
節から根を出しながら枝分かれして広がる。
葉は笹の葉のよような形をした広い線形で、基部(葉の根元)は茎を抱いている。
色はやや淡く、互い違いに生える(互生)。
開花時期は6~9月である。
二つ折れになった苞の間から青色の花が次々と咲く。
花は一日花である。
早朝に咲き出して、午後にはしぼんでしまう。
3枚の花びらのうち2枚が大きい。
残りの1枚は小さな白い色をしている。
雄しべは6本ある。
そのうち2本が長く、花粉を出す。
残りの4本は黄色くて目立つが、花粉は出さない仮の雄しべである。
全草を乾燥させたものを鴨跖草(おうせきそう)といい、生薬である。
解熱、利尿、解毒などの薬効がある。
蛍草(ホタルグサ)、青花(アオバナ)、帽子花(ボウシバナ)などの別名がある。
「万葉集」や「古今集」にも月草の名で登場する。
俳句の季語は秋である。
写真は6月に小石川植物園で撮った。
学名:Commelina communis

★露草の青が目に染む朝の道
 傘差しながら駅に向かって


露草(ツユクサ)

深山金鳳花(ミヤマキンポウゲ)2


深山金鳳花(ミヤマキンポウゲ)はキンポウゲ科キンポウゲ属の多年草である。
日本固有種である。
北海道から本州の中部地方にかけて分布し、亜高山帯~高山帯の草地や岩礫地に生える。
草丈は20~80センチくらいである。
葉は濃い緑色で艶がある。
根元から生える葉は大きく3つに裂け、さらに細かく切れ目が入る。
茎につく葉は小さく、3つ~5つに裂ける。
自生地での開花時期は7~8月である。
茎先で枝分かれして、鮮やかな黄色い5弁花を咲かせる。
花びらには丸みがあり、光沢がある。
写真は5月に箱根湿性花園で撮った。
学名:Ranunculus acris var. nipponicus


★鮮やかな黄金の色に煌いて
 群れなし咲くや深山金鳳花


深山金鳳花(ミヤマキンポウゲ)