オランダ薄荷(オランダハッカ)2


オランダ薄荷(オランダハッカ)はシソ科ハッカ属の多年草である。
緑薄荷(ミドリハッカ)の変種で、カーリーミントとも呼ばれている。
これは葉が縮緬状にカールしていることからきた名である。
そのまま訳して縮緬薄荷(チリメンハッカ)の和名も用いられる。
また、緑薄荷(ミドリハッカ)の仲間はスペアミントとも呼ばれている。
原産地はヨーロッパで、日本へは江戸時代の末期にオランダから渡来した。
草丈は80~100センチくらいである。
茎の断面は四角形で、よく枝分かれをする。
毛は生えておらず、強い薄荷の臭いがする。
葉は卵状の披針形で、縁は切れ込む。
葉に柄はなく、葉のつけ根はハート形で茎を抱く。
和種の「薄荷」の場合は柄がある。
開花時期は7~9月である。
茎先に淡い紫色の花をつける。
西洋薄荷(ペパーミント)に比べて花穂が長く、花の色が薄い。
採取される精油は香料や薬用に用いられる。
写真は7月に都立薬用植物園で撮った。
学名:Mentha spicata var. crispa


★カールした葉っぱがとても可愛いよ
 オランダ薄荷香り爽やか


オランダ薄荷(オランダハッカ)

桔梗(キキョウ)


桔梗(キキョウ)はキキョウ科キキョウ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、山野の草原に生える。
海外では、朝鮮半島や中国の東北部、東シベリアにも分布している。
草丈は40~100センチくらいになる。
葉は長さが4~7センチくらいの細長い卵形である。
縁にはぎざぎざ(鋸歯)があり、互い違いに生える(互生)。
開花時期は7~8月である。
秋の七草の一つだが、むしろ真夏が盛りである。
花は先が5つに咲けた鐘形である。
咲き始めは、花粉のついた雄しべは雌しべの花柱にくっついている。
花柱に花粉をつけ終わると雄しべはしなびる。
花柱の花粉が昆虫に持ち去られると、先が5つに裂けて柱頭が現れる。
花の色は濃い青紫が基本だが、園芸品種には白や淡い紫、淡いピンクなどがあり、半八重咲きのものもある。
英名は蕾の膨らんだ姿から連想してバルーンフラワー(Balloon flower)という。
なお、根を生薬で桔梗根(ききょうこん)といい、去痰、鎮咳などの薬効がある。
俳句の季語は秋である。
上の写真は7月に昭和記念公園で撮った。
下の写真は8月に岩手県の八幡平トラウトガーデンで撮った。
学名:Platycodon grandiflorum


★この淵に身を沈めんや遠方の
 海を思わす桔梗が青さ


桔梗(キキョウ)2

房藤空木(フサフジウツギ)


房藤空木(フサフジウツギ)はフジウツギ科フジウツギ属の落葉低木である。
原産地は中国で、日本へは明治時代にヨーロッパで改良されたものが渡ってきた。
樹高は1~3メートルである。
葉は卵状の楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の裏面には毛が密生していて白い。
開花時期は7~10月である。
細い枝を広げて円錐花序(枝分かれして全体が円錐状に見える)を出し、淡い紫色の花をたくさんつける。
稀に白い花もある。
花は上側に向いて咲くので下面には少ない。
よい香りがする。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
別名をブレッドレアという。
枝葉および根皮はサポニンを含み、殺虫、解毒などの薬効がある。
写真は7月に昭和記念公園で撮った。
学名:Buddleja davidii(=Buddleia davidii)


★虫たちを群がるように寄せ集め
 房藤空木は艶やかな色


房藤空木(フサフジウツギ)2

菊苦菜(キクニガナ)


菊苦菜(キクニガナ) はキク科キクニガナ属の多年草である。
原産地は地中海沿岸地方である。
英名をチコリー(Cichory)といい、若い葉や芽をサラダなどに用いる。
また、根をコーヒーに混ぜて苦味をつけたりする。
食欲増進、消化促進、利尿などの効果があるそうである。
北海道から九州にかけて分布し、低地の湿原や泥炭地などに生える。
草丈は80~150センチくらいである。
開花時期は7~9月である。
花径2センチくらいのライトブルーの花をつける。
稀にピンクや白のものもあるという。
写真は7月に軽井沢町植物園で撮った。
学名:Cichorium intybus


★野生化し元気に生える菊苦菜
 ライトブルーの色鮮やかに


菊苦菜(キクニガナ)2

大丸葉保呂之(オオマルバノホロシ)


大丸葉保呂之(オオマルバノホロシ)はナス科ナス属の多年草である。
北海道から本州の中部地方にかけて分布し、低山の湿原などに生える。
「保呂之」というのは同じナス科の鵯上戸(ヒヨドリジョウゴ)の古名である。
大きい丸葉の鵯上戸(ヒヨドリジョウゴ)ということでこの名がついた。
草丈は30~70センチである。
茎は柔らかく蔓状である。
葉は卵形で先が尖り、縁にぎざぎざはない(全縁)。
開花時期は7~9月である。
花は薄紫色で5つに深く切れ込み、開花すると反り返る。
秋には楕円形の赤い実がなるが、有毒である。
写真は8月に東大植物園日光分園で撮った。
学名:Solanum megacarpus


★紫の茄子そっくりの花咲かせ
 蔓を伝って居場所広げて


大丸葉保呂之(オオマルバノホロシ)2

千島風露(チシマフウロ)


千島風露(チシマフウロ)はフウロソウ科フウロソウ属の多年草である。
北海道と本州北部の早池峰山、八甲田山に分布し、高山の草地や岩場に生える。
北海道では平地にも生育している。
海外では、千島列島、サハリン、カムチャッカ、アラスカ、北アメリカなどにも分布する。
草丈は20~50センチくらいである。
茎は直立し、上部でやや枝分かれする。
茎や葉の柄には下向きの毛(伏毛)が生えている。
葉は手のひら状に5つ~7つに裂け、裂けた部分が更に切れ込む。
開花時期は6~8月である。
茎先に花径3センチくらいの淡い青紫色をした花をまばらにつける。
花びらは5枚である。
近縁種の白山風露(ハクサンフウロ)に比べて青みが強く、花全体が丸い。
なお、白花のものは十勝風露(トカチフウロ)と呼ばれる。
写真は6月に北大植物園で撮った。
学名:Geranium erianthum


★点々と青紫の火を灯し
 千島風露は瞬くように


千島風露(チシマフウロ)2

深山野菊(ミヤマノギク)


深山野菊(ミヤマノギク)はキク科ムカシヨモギ属の多年草である。
北海道固有種である。
宗谷地方のポロヌプリ山、日高地方、十勝地方にのみ分布し、岩場に生える。
環境省のレッドデータブックでは、「ごく近い将来に絶滅する危険性が極めて高い種」である絶滅危惧IA類に登録されている。
草丈は10~15センチくらいである。
葉や茎にはたくさんの毛が生えている。
葉はへら形で、根元から生える葉には長い柄がある。
これが近縁種の深山東菊(ミヤマアズマギク)との違いでもある。
開花時期は5~9月である。
真ん中の筒状花は黄色で、周りの舌状花は淡い赤紫色をしているが、中には白いものもあるという。
花径は30~40ミリくらいである。
写真は6月に北大植物園で撮った。
学名:Erigeron miyabeanus


★美しいコントラストで咲き出づる
 深山野菊をじっと見つめて

深山野菊(ミヤマノギク)2

白山風露(ハクサンフロ)


白山風露(ハクサンフロ)はフウロソウ科フウロソウ属の多年草である。
本州の東北地方から中部地方にかけて分布し、高山の湿った草地に生える。
名前は石川・岐阜両県にまたがる白山にちなんでつけられた。
草丈は30~80センチくらいになる。
葉は手のひら状に5つから7つに深く切れ込む。
裏面には粗い毛が生える。
秋に美しく紅葉する。
茎には下向きに毛が生える。
開花時期は7~8月である。
花びら(花弁)は5枚で、花びらの先に切れ込みはない。
また、花びらは重ならない。
10本の雄しべが放射状に並び、花びらの基部には白い毛が生える。
花の色は白に近いものから濃いピンクまである。
花径は25~30ミリくらいである。
写真は7月に東北大学植物園で撮った。
学名:Geranium yesoense var.nipponicum


★可憐なる白山風露の花姿
 群がり咲きて深山いろどり


白山風露(ハクサンフロ)2

大毛蓼(オオケタデ)


大毛蓼(オオケタデ)はタデ科タデ属の一年草である。
原産地は中国、インド、マレーシアなどで、日本へは江戸時代に観賞用として渡来した。
今では野生化して北海道から沖縄にかけて分布し、道端や空き地、土手などに生えている。
草丈は1~2メートルになる。
茎に毛が多いのが特徴で、名の由来にもなっている。
葉は卵形で先が尖り、互い違いに生える(互生)。
開化時期は6~10月である。
花径6~7ミリの赤紫の小花が集まり、穂状花序となる。
犬蓼(イヌタデ)を大きくしたような花である。
花の色は紅色で、先の丸い花びらが5枚ある。
写真は7月に都立薬用植物園で撮った。
学名:Polygonum orientale


★役に立つ時代もあった大毛蓼
 雑草なれど気位高く

大毛蓼(オオケタデ)2

車軸草(シャジクソウ)


車軸草(シャジクソウ)はマメ科シャジクソウ属の多年草である。
白詰草や赤詰草と同じ仲間である。
名の由来は、葉を牛車の車輪に見立てたものである。
長野県、群馬県、宮城県と北海道に分布し、山地の草原や海岸の岩場などに生える。
草丈は15~50センチくらいである。
葉は互い違いに生える(互生)。
5~6枚の小葉からなる掌状複葉である。
小葉は細長い楕円形で、縁には細かなぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の柄が短いので、小葉が輪生しているように見える。
開花時期は6月~9月である。
紅紫色をした細長い蝶形の花を扇形に数個つける。
写真は8月に箱根湿性花園で撮った。
学名:Trifolium lupinaster


★蝶形の小花揺らして秋の野に
 車軸草咲く高原の朝

車軸草(シャジクソウ)2