信濃秋桐(シナノアキギリ)2


信濃秋桐(シナノアキギリ)はシソ科アキギリ属の多年草である。
日本固有種である。
群馬県と長野県に稀に分布し、林の中に生える。
発見されたのは長野県の松原湖付近で、小山海太郎氏が発見し、牧野富太郎博士が発表した。

環境省のレッドデータブックでは、「近い将来に絶滅する危険性が高い種」である絶滅危惧IB類に登録されている。
草丈は40~50センチである。
葉の形はハート形で、桐(キリ)の葉に似ている。
よく似た黄花秋桐(キバナアキギリ)の葉は鉾形をしている。
開花時期は8~10月である。
写真は10月に小石川植物園で撮った。
学名:Saliva koyamae


★ひっそりと林の中で花つける
 信濃秋桐滅びぬように


信濃秋桐(シナノアキギリ)

大苦菜(オオニガナ)


大苦菜(オオニガナ)はキク科フクオウソウ属の多年草である。
「苦菜」の名がつくが、ニガナ属とは分類が異なる。
本州の東北地方から近畿地方にかけて分布し、限られた湿地に生える。
環境省のレッドデータブックでは、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類に登録されている。
草丈は50~120センチくらいである。
葉は互い違いに生え(互生)、葉の柄には長い翼がある。
葉は羽状分裂をし、先の裂片が大きく、つけ根に近づくほど小さくなる。
葉の先は尖り、つけ根は茎を抱く。
葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は8~10月である。
花径3~4センチくらいの大きな黄色い頭花は、数多い舌状花からなる。
写真は8月に日光植物園で撮った。
学名:Prenanthes tanakae


★堂々と花びら広げ大苦菜
 湿原に咲く花美しく


大苦菜(オオニガナ)2

白花曼珠沙華(シロバナマンジュシャゲ)


白花曼珠沙華(シロバナマンジュシャゲ)はヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草である。
鍾馗水仙(ショウキズイセン)と彼岸花(ヒガンバナ)との自然交雑種である。
本州の中国地方から沖縄にかけて分布し、道端や土手などに生える。
海外では、朝鮮半島、済州島などにも分布する。
草丈は30~50センチくらいである。
葉は線形である。
彼岸花(ヒガンバナ)よりも太く、鍾馗水仙(ショウキズイセン)よりも細い。
葉のある時期には花は咲かず、花期には葉がない。
開花時期は9~10月である。
花の色は白く、ピンクのぼかしの入るものもある。
花びら(花被片)は6枚である。
強く反り返るが、彼岸花(ヒガンバナ)ほどは反り返らない。
また、縁の皺も弱い。
雄しべは6本で、先に花粉をつける。
花粉をつけていないのが雌しべの花柱である。
鱗茎にはアルカロイドを含み、猛毒である。
別名を白花彼岸花(シロバナヒガンバナ)ともいう。
写真は9月中旬に埼玉県の春日部市で撮った。
俳句では「曼珠沙華」、「彼岸花」が秋の季語である。
学名:Lycoris albiflora


★束の間に果てる夢ならこの夢に
 白無垢を着て曼珠沙華咲く


白花曼珠沙華(シロバナマンジュシャゲ)2

白嫁菜(シロヨメナ)


白嫁菜(シロヨメナ)はキク科シオン属の多年草である。
本州から九州にかけて分布し、林の中や林の縁に生える。
草丈は70~100センチくらいである。
葉は長い楕円形で、互い違いに生える。
葉の先は鋭く尖り、縁には目立つぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は8~11月である。
茎先で少し枝分かれをし、散房状に(柄のある花がいくつかつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)に花(頭花)をつける。
白い花びら(舌状花)は8枚から11枚くらいで、間隔は不ぞろいである。
胡麻菜(ゴマナ)に似ているが、それよりも総苞(花序全体を包む葉の変形したもの)がやや長く、総苞片の数も多い。
写真は10月に箱根湿性花園で撮った。
学名:Aster ageratoides var. ageratoides(=Aster ageratoides var. harae form. leucanthus)


★さりげなく野を彩って白嫁菜
 ゆらりゆらゆら風に吹かれて


白嫁菜(シロヨメナ)2

レモンバーベナ


レモンバーベナ(Lemon verbena)はクマツヅラ科イワダレソウ属の常緑低木である。
和名は香水木(コウスイボク)という。
原産地はアルゼンチン、チリなどで、17世紀にスペインによってヨーロッパにもたらされた。
日本へ渡来したのは明治時代のようである。
樹高は1~3メートルである。
葉は披針形で、3枚ずつ輪になって生える(輪生)。
黄緑色で柔らかく、強いレモンの香りがする。
葉からバーベナ油がとれる。
香水の原料になるほか、ハーブティの原料となり、また風味づけとして幅広く料理に利用される。
香りが長持ちするためハーブバスやポプリなどにも最適である。
開花時期は8~9月である。
淡い紫色もしくは白い小さな花をつける。
写真は3月に大船植物園で撮った。
学名:Lippia citriodora(=Aloysia triphylla)


★柔らかな手触りもっと楽しんで
 香水木を感じてほしい


レモンバーベナ2

梅鉢草(ウメバチソウ)


梅鉢草(ウメバチソウ)はユキノシタ科ウメバチソウ属の多年草である。
北方領土を含む北海道から九州にかけて分布し、山地の湿原などに生える。
海外では、台湾、中国、サハリンなどにも分布する。
草丈は10~40センチくらいになる。
根際から生える葉はロゼット状である。
茎葉はハート形または円形で茎を抱く。
開花時期は8~10月である。
茎先に白い5弁花を上向きに1個つける。
花弁には緑色の脈が目立つ。
また、太くて白い花糸を持つ雄しべと仮雄しべがあり、その姿が梅(ウメ)の花を連想させる。
名の由来は、花の様子を梅鉢の紋に見立てたものである。
写真は9月に信州の霧が峰で撮った。
学名:Parnassia palustris


★華麗なる姿を見せて花つける
 梅鉢草は胸張るように


梅鉢草(ウメバチソウ)2

仙人草(センニンソウ)


仙人草(センニンソウ)はキンポウゲ科センニンソウ属の蔓性多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、道端や林の縁などに生える。
海外では、朝鮮半島、台湾、中国などにも分布する。
茎の長さは数メートルに達する。
葉は3~7枚の小葉からなる羽状複葉で、向かい合って生える(対生)。
開花時期は8~9月である。
葉の脇に花径2~3センチくらいの白い花を多数つける。
花弁状に見えるのは4枚の萼である。
花の後に、羽毛のあるそう果(果実の中に1つだけ種子があり開かない)を結ぶ。
名の由来は、果実の先につく長い毛を仙人の髭に見立てたものと言われる。
茎や葉にかぶれを起こす有毒物があるが、鎮痛・利尿薬としても利用される。
写真は9月に小石川植物園で撮った。
学名:Clematis terniflora


★風車ぐるぐる回し遊んだ日
 ふと思い出す髭撫でながら


仙人草(センニンソウ)2

晒菜升麻(サラシナショウマ)


晒菜升麻(サラシナショウマ)はキンポウゲ科サラシナショウマ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、落葉樹林内や草原などに生える。
草丈は40~150センチくらいになる。
葉は互い違いに生える(互生)
長い柄があり、2~3回に分かれて多くの複葉をつける。
小葉は卵形で先が尖って2つか3つに裂け、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は8~10月である。
枝先に雄しべの目立つ白い小花を総状に密生し、まるでブラシのように見える。
穂は太いもので直径20ミリくらいになるものもある。
名の由来は、若い葉を晒して食用にすることからきている。
根茎を乾燥させたものを生薬の升麻(しょうま)といい、解熱・解毒剤とする。
写真は9月に信州の上高地で撮った。
学名:Cimicifuga simplex


★真っ白にブラシのような花つけて
 不思議な姿の晒菜升麻


晒菜升麻(サラシナショウマ)2

白髭草(シラヒゲソウ)


白髭草(シラヒゲソウ)はユキノシタ科ウメバチソウ属の多年草である。
本州、四国、九州に分布し、山間の湿原や渓流沿いの湿ったところに生える。
草丈は10~30センチくらいである。
柄の長い葉が根もとから生える。
開花時期は8~9月である。
花茎を立て、縁が糸状に細裂した白い五弁花を一個開く。
名の由来は、花の姿を白い髭に例えたものである。
写真は8月に箱根湿性花園で撮った。
学名:Parnassia foliosa var. nummularia


★不思議なる花の姿に魅せられて
 しばし見入らん白髭草に

白玉星草(シラタマホシクサ)


白玉星草(シラタマホシクサ)はホシクサ科ホシクサ属の一年草である。
日本固有種で静岡県、愛知県、三重県に分布し、日当たりのよい湿地に生える。
植物地理学的には周伊勢湾要素ないし東海丘陵要素の植物と呼ばれる。
環境省のレッドデータブックでは、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類に登録されている。
草丈は20~40センチくらいである。
葉は線形で、先は針状に尖っている。
開花時期は8~10月である。
頭花は球形で、花径は1センチに満たない。
つけ根の部分がややへこみ、全体に白い短い毛が密生していて白い球のように見える。
白っぽく見えるのは雄花や雌花の一部である。
黒っぽく見えるのは雄しべの葯である。
名の由来は、この花の姿からきている。
写真は9月に箱根湿性花園で撮った。
学名:Eriocaulon nudicuspe


★小さくてとても可愛い花つけて
 白玉星草花火のように

白玉星草(シラタマホシクサ)2