「ルーパー」(2012・米)

監督ライアン・ジョンソン
脚本ライアン・ジョンソン
製作ラム・バーグマン
ジェームズ・D・スターン



ジョセフ・シモンズは、未来の犯罪組織の依頼で過去にタイム・トラベルしてくる標的を処理する殺し屋、通称「ルーパー」だ。しかしある依頼で処理することになったのは、30年後の未来からやってきた自分自身だった。

ルーパーwiki






友人とMOVIX宇都宮のその日の最終上映で。終わりは12時近く、面白くなければ辛いかなーと考えながら。

結果的には杞憂に終わり、最後まで楽しむことが出来た。ちょっと粗さがししながら観ていて、自分でも性格悪いなーとか考えていたけれど。というのも、この手のタイムスリップ系は興ざめな破綻があることがままなので、「うまいことやってくれよ」という気持ちがどうしても先行してしまうのだ。

まず、25歳のジョセフ、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット。(500)日のサマー、インセプション、ダークナイト・ライジングと最近勢いに乗っている俳優さん。基本が笑顔っぽい人で、日本の俳優さんでは堺雅人さんみたいなイメージがある。こういう系の人が空白の多い演技をすると深く見えたりするから、いいなぁ。


いつも何を考えているのか、という顔。


そして55歳のジョセフ、ブルース・ウィルス。今回の中では「さすがブルース!」というようなシーンはあまりなかったけれど、この人もいるかいないかで落ちつきが違う。正直、この映画は明確な悪役が存在しない映画なので、そういう観点での魅力がない分、ブルースがやらなければならない意味はちゃんとあると言えるだろう。


でももうちょっと期待してしまうのさ。


特筆すべきはシド役のピアース・ガノン!可愛らしさと空恐ろしさを見事に怪演していて、今後(彼の実際の人生も含め)、どうなるのか、どうなってしまうのかゾクゾクします。この子、怖いよ色んな意味で。途中、彼の存在でSFがホラーになってしまいそうな勢いすらあったもの。


みんな、逃げてー!


全体的な作りとして、ちょっと不思議なストーリーと味付けを感じられました。意図したものか、監督のナチュラルな感性か分かりませんが、それもまた「ありがちなSF」という雰囲気をちょっとズラしていて、良かったのではなかったかと思います。

そういえば余談ですが、クラシックカー扱いとして登場するユーノスロードスター(初期型)がいいねw自分も昔乗っていたのでひいき目があるのですが、あれはやっぱりいい車。こういう扱いをされるのも納得、だったりします。


色々綺麗に改造してあったりしますね。


と、そこそこに褒めながら点数は7.5点。
イマイチ高得点にならなかったのは、、、ヒロインと敵役のイマイチさですね。
もっともっと追い詰められてピリピリしてもよかったなぁと思ってしまうのです。