監督 | ポール・バーホーベン |
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脚本 | ポール・バーホーベン ジェラルド・ソエトマン |
役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
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ラヘル・シュタイン/エリス・デ・フリース | カリス・ファン・ハウテン | 高橋理恵子 |
ルートヴィヒ・ミュンツェ親衛隊大尉 | セバスチャン・コッホ | 東地宏樹 |
ハンス・アッカーマン | トム・ホフマン | 小山力也 |
スエズ動乱直前のイスラエルで教師をしている主人公エリスは、オランダから観光に来ていた女性と再会して戦争時代のつらい思い出を振り返る。
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第2次世界大戦下、ナチス、ユダヤ迫害、言い方は悪いがこれでもかとテーマにされまくった王道だ。その中でもナチス政権下のオランダという、ちょっと変わったシチュエーションの今作。ロボコップ、トータルリコール、氷の微笑のポール・バーホーベン監督が手掛ける。
魅力的だがどこか過酷な運命を感じさせない不思議な美人の主人公、エリス。彼女の戦乱に巻き込まれた裏切りに次ぐ裏切りの半生。さらにその中で、敵であるドイツ将校と恋に落ちる。こう言ったら失礼だが、まるで昼ドラのようだ。次から次へとトラブルは続く。
この作品、比較的評価は高いのだが、、、僕はあまり響かなかった。いや、悪くはないのだが、どこか舞台臭(悪い意味ではない)のする演出の雰囲気に、お芝居を見ているような感覚だった。
ミュンツェさんは「善き人のためのソナタ」のドライマンじゃないですか。
逆に、フランケン役の人の嫌らしさったらなかった。これは絶賛。見事。単なる見た目役者ではなく、音楽の才能があるあたり絶妙な配置でもあった。また、そこで知り合ったオランダ女性ロニーのたくましさも素晴らしい。「笑顔を振りまいていたらこうなったのよ」と言い放つ底抜けの明るさは、どこかスカッとさせてくれた。
ひっくり返し、ひっくり返しでエンディングへ向かっていく。最後の最後にはやっと、「誰のせいだったのか」が見える。しかしその見せ方はあれでいいのか?既に自由がないエリスをわざわざ解放させ連れて帰り、口封じ&告白ではちょっとチープかなと思わなくはない。いつでも殺せたし、また彼自身も裏で糸を引いていた割に危険すぎやしなかったか。
とまぁ、若干の不満こそあれ、なかなか楽しむことは出来た。前述のように、この作品を絶賛する人のほうが圧倒的に多いので、僕のレビューなんか気にせずに安心して観ていいと思う。じゃあなんで書いてるのかってことになるけどね。
7点。