「ロレンツォのオイル」(1992・米)

監督 ジョージ・ミラー

出演
ニック・ノルティ
スーザン・サランドン
ザック・オマリー・グリーンバーグ

ひとり息子であるロレンツォの難病を治すことの出来る医師が居ないと知り、オドーネ夫妻(夫オーギュストと妻ミケーラ)は医学的知識が無いにもかかわらず自力で治療法を探すことを決意。

治療法を見つけ出すため、もはや手の尽くしようがないと信じる医師、科学者、支援団体らと衝突する。しかし自らの意志を貫き、医学図書館に通い詰 め、動物実験を参照し、世界中の研究者や一流の医学者らに問い合わせ、さらに自ら副腎白質ジストロフィーに関する国際的シンポジウムを組織するに到る。

ロレンツォのオイルwiki




最後まで、いや「終わってからも」目が離せない作品だった。
自分は事務とはいえ医療の側にいる身なので、こういった作品はどうしても医者サイドから見るようになってしまうのだが、そのせいか「泣ける」というよりは「切実」な映画だった。

家族の気持ちも勿論わかる。
医者の立場(ひとつの好例だけで判断するのは危険ということ)もわかる。
実際、「いい」と言われた薬を使って大規模な薬害が起きた例だってある。
ましてやその案も結果も示したのが医師でない素人だとしたら。

その全てをかけて。


しかしこのケースはその壁を乗り越え、成功したケースだ。
大きな目で見れば、医療は数多くの失敗の上になりたっていて、そこには多数の尊い命が犠牲になっている。
例え失敗したケースだったとしても、それが未来の何かには確実につながっていく一歩なのだ。

ただひとつの命を救わんと。


しかし患者の、そして患者の家族にとってみればそうではない。
今、この命を追い求めること。それ以上もそれ以下もないのだから。

wikiのURLを貼りつけたが、作品を観るまでは閲覧は控えたほうがいいだろうと思う。
その後─も含め、この事実を感じてほしいと思う。8点。