監督 ポール・ハギス
脚本
ポール・ハギス
ボビー・モレスコ
出演者
サンドラ・ブロック
ドン・チードル
マット・ディロン
ジェニファー・エスポジート
ウィリアム・フィクトナー
ブレンダン・フレイザー
テレンス・ハワード
リュダクリス
タンディ・ニュートン
ライアン・フィリップ
クリスマスを間近に控えたロサンゼルスで発生した1つの交通事故を起点に、多民族国家であるアメリカで暮らす様々な人々を取り巻く差別、偏見、憎 悪、そして繋がりを描いた映画。日本の公式ホームページのイントロダクションで、交通事故発生後の出来事を描いた映画であると思わせる表現があるが、実際 は事故当日とその36時間前からの出来事を描いたものである。
クラッシュwiki
これは。。。考えさせられるなぁ。。。
アメリカ人は全員観たほうがいい。いや、世界中の人類が。
偏見や差別をする大人は、これを教科書として何かを得るべきだ。
そう、ささいなこと。
さして差別だと思っていなくても、ほんのささいな言葉尻や行動の端々に差別は介在する。
ある程度は仕方のないこと、そうも言えるだろう。では事の大小が問題なのか。否。
先日のニュースで福島産の花火の打ち上げ中止、というのがあった。
当然のように避難轟々、中止を訴えた20人はもとより、中止を決定した市にも非難が相次いだとのこと。
そう、そういう分かりやすい大きな差別はほとんどの人が「いけないこと」と認識している。
そしてそれを、「何でこんなことが分からないの」と声高に糾弾する。それもまた当然だろう。
しかし自分はどうか。
目の前から歩いてくるホームレスをどう避けるか。
ご近所に、他者に分け隔てなく接しているか。
時に安全、時に体裁を言い訳にして、”それなりに”対処しているのだ。
ささいなことから差別は始まる。環境であったり、ちょっとした不遇であったりもそうだ。
しかしその差別が解消されていくのも、ささいなことであったりするのだよと
この映画は教えてくれているような気がするのだ。
いや正確には違う、大きな痛みを伴うこともある。
それもこの映画は提示している。そして警鐘を鳴らしている。
本当につらい思いをするまで、そうやってやっと気づくまで、
あなたはその差別を続けますか、と。
いつの間に自分の周りに壁を作ってしまったんだろう。
その中が安全で絶対だと、いつから思ってしまったんだろう。
壁のこちら側から、向こうの不幸な人々をただ見る。そして知った風になる。
それは感じてはいない。想ってはいないのだけれど。
ぶつかり合ってごらん。触れ合ってごらん。
終始そう語りかけてくる映画でした。 9点。