東城百合子さんの本「自然療法」に助けられた人は、私のまわりでもとても多い。
何年も前に亡くなりましたが、母もその一人です。
寝たきりになった時は、足の指を揉むと床ずれが防げる。
水も食べ物も何も受け付けなくなっても、氷だけは吐かずに食べられる。
ガンで抗がん剤で体力的にしんどい時、コンニャク湿布をした翌朝、飼っていた犬を怒鳴りつけるくらい元気になって、
良かったのか、悪かったのか・・と思ったことがあった。
手術痕が痛む時は、スギナを蒸した湿布が良かった。モルヒネが効かなくなった人でも、力になってくれる。
日本人の智慧が詰まった素晴らしい本です。
その本には、お世話をする人へ向けて、
「やってあげている」という感覚では良くならない。
と書いてあって、後で反省しました。
どこかで、母に対して、やってあげている、という気持ちがあったからです。
旦那ちゃんには、その時の反省を生かして、
りんごひとつ皮をむいて、スライスする時も、
気持ちをこめて、カットします。
小松菜や、チンゲン菜を切る時も、洗う時も、気持ちが入るように、真剣に、
旦那ちゃんが元気になるように、と、
丁寧に扱うように気を付けています。
パティシエの有名な方が、どんなに美味しいお菓子を作っても、レジ係がダメだと、お客さんが減る、ということを言っていました。
またある人は、どんなに腕の良いシェフが美味しい料理を作っても、
ウェイターやウェイトレスが、心の中で怒りながら運んだり、昨日起きた恋人とのケンカを引きずっていたり、
雨で不機嫌だったりすると、
その不機嫌な「気」が入って、せっかくの美味しい料理が台無しになってしまうそうです。
そして、また、そういった目に見えないものは、伝わる。
と、いうようなことを聞いたことがあるので、
旦那ちゃんを着替えを手伝う時も、片手で腕を持つことなく、
両手で丁寧に、
タオルで身体を拭くときも、気持ちを込めて。
今日も着替えの後、背中をさすらせて貰った。
今まで旦那ちゃんが私にしてくれたことを思い出して、
ありがとう、と背中に抱き着いてしまった。
「こんな風になってしまったけれど、旦那ちゃんに出会えてよかった。ありがとう」
と言うと、
「いーやーだー」と言って嫌がられました。
そうだった、距離が近いと怖がられるんだった。
ごめんごめん。
たくさん食べて、すやすや眠る。
一階からは、旦那ちゃんの寝息が聞こえて来ます。