パラダイムシフト (Paradigm Shift)
震災発生から今日でちょうど2ヶ月が経過した。その間、自分のなかで起こったことは、まさにパラダイムシフト(Paradigm Shift)と呼べるものだと思い、そのことを書いておこうと思いここに立ち戻って来た。
地震発生の瞬間は、東京中央区の9階建ビルの3階のオフィスでそれまで体験したことのない揺れにあわてて、一旦は非常階段で外へ飛び出したものの、揺れがおさまったところでオフィスに戻りテレビの地震速報をチェックし震源が東北太平洋沖ということを確認した。そして、テレビを観ながらこれまでにない凄まじい地震であることは即座に理解しながらも、東北新幹線で走行中の車両がすべて無事緊急停止したことを知って「あぁ、思ったほどではなかったな。楽勝! 楽勝!」と安堵していた。地震発生から30分くらい経っていたと思う。
阪神淡路大震災のときはケニアに住んでいて、まだインターネットも一般的ではなかったので当日の新聞号外のコピーがFaxで送られて来て、新幹線高架橋が崩落している写真を見て度肝を抜かした。新幹線高架橋の安全基準というのは一般道路とは桁違いの基準値をとっているので、並の地震で高架橋が落ちることなどあり得ないが、その写真は高架橋が崩落している写真で、地震の凄まじさが理解できたのと、発生が早朝で新幹線がまだ運行を始める前であったことを知って安心した。これが昼間の運行時であったらと思っただけでもぞっとした。
その後の中越地震では、上越新幹線は緊急停止したが一部の車両は脱線し「あわや」というところで、何とかケガ人もなく停車した。あの地震は断層地震で揺れが甚大な箇所が局所的にあったのだろうが、それでも新幹線事故での死傷者はなかった。
今度の東日本大震災発生時には東北新幹線上で走行中列車は27本で、それらはすべて無事緊急停車したが停車した所がたまたまトンネルの中だったので真っ暗な中で恐怖におののいた人たちがいたりしたものの死傷者はなかったということは、これはこれで「やっぱり日本の技術ってスゴイな」ということになる訳だ。
そして、新幹線の建設安全基準などよりも、さらに桁違いに厳しい安全基準で建設されている筈の原発に地震の被害が出ることなど考えもしなかったが、まさにそんな能天気なことを考えていた瞬間にあの地獄絵図のような津波の襲来が続いており、原発事故が起こりつつあったのだ。
あとは、ただぼぉーっとテレビを観る以外はなにもできず、リアル・オン・タイムで起きている事象を見、パニックになる人、全く的はずれなチンプンカンプンなことを言いだす人などを見ていた。そんなことや人を見ながら思ったことなどを書きつけておこう。