沈まぬ太陽 | Hardnutのブログ

沈まぬ太陽

先週、「南極料理人」という映画を観た。面白かったけれど、ロケは網走あたりだったらしい。


極点では一年の半分が夜で後の半分が昼となるのはご存知の通りだけど、赤道上では毎日昼と夜の時間がきっちり12時間ずつというのはイメージできるだろうか。

ナイロビは南緯1度ちょっとなので日の出はいつも6時半ころで日没も午後6時半頃となり、これが季節によって15分くらいずれるが、日の出は垂直に太陽が昇り、日没も垂直に沈んですぐ真っ暗になる。

ドイツ北部の北緯52度のところに住んでいたけれど、地平線上を滑るように移動して沈まない太陽には馴染めなかった。


山崎豊子原作の『沈まぬ太陽』が映画化され、この秋に公開されるらしく、すでに専用のWeb Siteもアップされているようだ。

主人公の恩地のモデルになった故小倉寛太郎氏の半生を山崎豊子が小説したもので、ノンフィクションではなく小説だから内容についてとやかく言う筋合いではないけれど、小説家が実際にナイロビに来られて取材した際に一生懸命アテンドした人物が結構いい加減なことを小説家に吹いたみたいで、原作の小説でもナイロビ編には誤解して書いているという箇所があった。


この前、歯医者の待合室で読んだ「小説新潮」に映画「沈まぬ太陽」の主人公・渡辺兼のインタビュー記事があり、それによると、原作にはない「ナイロビのスラム街・キベラの浮浪児たちに癒される恩地」というのがあり、渡辺兼はそのスラム街の含めアフリカに圧倒され人生観が変わったというようなことを言っているのだけれど、国際派と言われ「明日の記憶」とかを観ていい俳優と思っていただけに、あんなもので人生観が変わるような人なのかと急に軽い人物に思えた。

安易に貧民街のキベラなどのシーンを加えた若松監督にもちょっとがっかりだ。故小倉氏を知っていただけに映画はもっと重厚な仕上がりにして欲しかった。