アパルトヘイトは悪か?
南アの人種隔離政策アパルトヘイトのことを日本で話題にしようものならば、「100%罪悪」と判断され口にするのも憚れるし、冷静になって考えても、観念的に悪であるということに議論の余地はない。
しかし、仕事がらみで南アの英国系白人やオランダ系(ボーア)のアフリカーンの人たちと親交があり、かれらの歴史的背景や個々の話を聞くと、彼らは彼らでいろいろな言い分があることが分かり複雑な気持ちに思いになる。
アパルトヘイトと云う精緻で冷徹な仕組みを構築しアフリカ人を差別していた事実ははっきり認知するけれど、白人たちの感情を聞き、被差別側のアフリカ人たちのことを思えば何も言葉にできずただ押し黙るしかない。
知り合いの南アの20代の白人女性には親友で同年代の黒人女性がおり、双方信頼しあい一緒に食事をしたり買い物へいったりと言うことには全く抵抗がないのだけれど、お互い一緒に住居をともにすることはしたくないと言うのだ。
「白人に散々虐げられた」と思う南アのアフリカ人は、政権がアフリカ人の手に渡って時間が経つと、こんどはアフリカ人がかさにかかって白人に攻めかかる。
W杯予選で日本が本選出場を決めた後の6月9日の朝日新聞社説に「南ア新大統領・庶民派への不安と期待」と云う論説が載り、マンデラ、ムベキに次いで5月に三代目アフリカ人大統領に就任したズマに慎重な政治運営を期待するというような内容で「白人の地主・企業家との格差は以前大きい。不況で貧困層や失業者の不満が強まっている。この危機をどう乗り切っていくのか。隣国ジンバブェのように白人地主の土地の強制収用という強行策にでれば大混乱を招くだろう。」と言っているのだが、この筆者は実態を知らないようだ。
南ア北部ジンバブェと国境を接するLimpopo州でアフリカ人が白人農場主に「ここはかつて私の先祖が住んでいたところだから出て行ってくれ。」と云う要求をするLand Claimはジンバブェと同時期のかなり前から発生しており、「狙われたら最後。裁判などは無意味だから結局土地を明け渡すしかない」と言ってアフリカ人所有になった農園がかなりの数になっている。
問題は、園芸地帯で果樹がメインこの地区では、アフリカ人農園主は農薬散布などの手入れをしないたの、害虫が大発生してきちんと管理している近隣の白人の農園にも虫害が及ぶなどの深刻な問題が既に発生している。
「まぁ、仲良くやってくれよ。」と呑気なことは言えるけど、現実は難しい。