マックスウェーバー(1864~1920年)」による「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神(1905年)」で、

・時間を無駄にしない
・勤勉に働く
・質素倹約してお金を貯める
・嘘をつかずに正直に生きる

などと書いているそうですが、これは宗教感を利用して、経済活動における「利潤の肯定」及び「利潤の追求の正当化」を定義したと言えます。西洋では、この「精神」を保障するには「宗教」が必須のようです。この宗教由来の「精神」を持たなければ、「強欲資本主義」によって「正統資本主義」を凌駕することになります。なので、更なる金儲けには宗教が邪魔になります。

 「共産主義」にも精神があるかどうかは判りませんが、正統資本主義と同様の「精神」が有れば「正統共産主義」が成立する可能性はあります。但し、共産主義と宗教は反目関係にあるので、宗教国家では「正統共産主義」は成立し難いと言えます。

 「強欲共産主義」の場合は、国家全体としての共産主義は成立することは有りません。人民の統治手法として「共産主義」が用いられるだけであり、支配層は「金融資本主義」で成立します。

 「神道」は宗教では無いので、日本では「正統共産主義」が成立する可能性は有ります。日本で「何々主義」が流行り始めた明治以降は、日本人は本性として「資本主義の精神」を持っていたことから、目覚ましい成長を達成しました。若しも、この時期に「共産主義」が導入された場合でも、日本は「正統共産主義」の国として発展したと思います。

 ところが、「強欲資本主義」と同様に、共産主義によって宗教が否定された場合には、西洋では「共産主義の精神」も持つことが出来ずに「強欲共産主義」が幅を利かせる事になり、パラレルワールドでも世界大戦が勃発していたと思います。

 つまり日本では、マックスウェーバーの存在や理論の如何によらず、「神道の精神」によって如何なる「主義」にも対応は可能なのですが、それでも「強欲主義」には敵わないと云うことです。

 他にも、今の世界は「強欲平和主義」「強欲平等主義」「強欲全球主義」等々が蔓延っていて、多くの日本国民が窮地に立たされています。

強欲平和主義;平和を理由に、テロ国家との経済取引を正当化する思想。
強欲平等主義;平等を理由に、技能実習生など労奴の輸入を正当化する思想。
強欲全球主義;グローバリズムを理由に、国境のない自由経済を主張する思想。

正統平和主義;各国が自国第一を競い合い、結果としての平和を齎す思想。
正統平等主義;各国が対等の立場で両立し、支配関係を否定する思想。
正統全球主義;各国の弱点を補い合う、相互協力型の八紘一宇思想。