「性的指向および性同一性に関する国民の理解増進に関する法律(通称、LGBT法)」が成立しましたが、その内容(原案)が長いので簡単に要約すると、

 

 


全ての国民は、その性的指向又は性自認にかかわらず、等しく基本的人権を享有する個人として尊重される理念にのっとり、・・・に関する・・・に関する・・・に関し・・・とする。

です。「・・・」はほゞ同じ内容なので省略しました。本則全14ヶ条と附則3ヶ条を合わせて「関」の字が63ヶ、「性」の字が132ヶ(「性自認」と「性的指向」は其々45ヶ)がある事以外は、殆ど内容の無い法律です。

 主題の「性自認」と「性的指向」の定義は、

 第二条 
①この法律において「性的指向」とは、恋愛感情又は性的感情の対象となる性別についての指向をいう。
②この法律において「性自認」とは、自己の属する性別についての認識に関する性同一性の有無又は程度に係る意識をいう。

だそうです。つまり、「他人の性に対する感情や、自己の属する性に特段の関心が無い人」は理解増進法の対象外と云う事です。他人事なので当然と言えばそれ迄ですがww

 可決された「LGBT法」の「議案要旨」を見ると、「性自認」は「ジェンダー・アイデンティティー」と変更されたようです。但し、英語で言う本来の「gender identity」は「性同一性」を意味するようですが、「identity」が「個性」も意味する事から「性自認」と意訳したようです

 その「議案要旨」では、

 

 


 本法律案の主な内容は次のとおりである。
一、この法律において「性的指向」とは、恋愛感情又は性的感情の対象となる性別についての指向をいい、「ジェンダーアイデンティティ」とは、自己の属する性別についての認識に関するその同一性の有無又は程度に係る意識をいう。

とされていて、修正案の「ジェンダーアイデンティティ」と原案の「性自認」とは、「性」が「その」に変わっただけで、意味は全く同じです。

 何れにしても、通称である「LGBT法」には性的少数者の意味が含まれるとされてはいますが、法律としては「性的少数者」の文言は無いので、大多数を占める、所謂「ノーマルな性自認」に関する国民の理解増進を企図するかどうかを見守りたいと思いますww

 「国民の理解増進」と書いてあるように、現下の国民はあまり理解していない事が前提です。その国民には「増進する側」と「される側」があり、「理解している人」を誰が決めるかは判りませんが、お金は「増進する側」に渡されます。

 憲法第十一条 
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

 憲法は理念法なので「罰則」も「予算措置」もありません。つまり、「LGBT法」は理念法では無い事を意味します。その証拠に「国民の理解の増進に関する施策」が事細かく書かれていて、全てに予算措置が必要です。

 憲法第十四条 
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

 「LGBT法」に書かれている「理念部分」は全て憲法に書かれていて、謂わば「憲法の劣化版」です。理念部分以外は、予算措置に根拠を与える「利権増進法」です。

 「する側」と「される側」は社会的関係であり、憲法には経済的関係に於いても差別されないと書かれています。