ウクライナは世界有数の食糧輸出超過国ですが(でしたが?)、現在は悲惨な目に合っています。それでも、穀物の宝庫として認められているせいか、侵略を受けても自由主義世界からの武器援助(リース?)が継続されています。

 ウクライナは食料の宝庫ゆえに周辺諸国から常に利用され、特にロシア帝国-ソ連-ロシア連邦によって何度も侵略を受けたのですが、実はウクライナ(キエフ大公国)がロシアの産みの親です。

 これは、イギリス-アメリカの関係に似ていて、表面上はアメリカがイギリスから独立したという体を成していますが、実際はイギリスの国際金融資本が、アメリカを(インディアンから)略奪し、白人を含む人民から搾取することで成立しています。

 ウクライナ-ロシアと違うのは、アメリカの場合は略奪地が穀物の宝庫になり成功したのですが、ロシアは穀物が然ほど収穫できないので食料の輸入超過傾向があり、人口が然ほど増え無かったと云う事です。

 アメリカは放っておくと勝手に人民が流入する為に移民規制が常態化しますが、ロシア(ソ連)は戦争を起こしてでも人民をかき集める必要が有りました。コサック(ウクライナとその周辺の武装集団)を利用してシベリア迄は上手くいったのですが、極東では日本に阻まれ、その仕返しに戦後のシベリア抑留が有りました。

 世界標準での「経済安全保障」とは、金融資本が人民を利用して経済領土を拡張する事を意味しますが、これに外見上似ている「大東亜共栄圏」は自由貿易圏を拡張する為の手法に過ぎません。現在で言う「自由で開かれたインド太平洋戦略」の戦前版です。

 戦前は、「インド太平洋地域」は欧米の経済領土になっていて、日本海地域も呑み込まれようとしていました。それを阻んだのが大日本帝國(この”帝國”は帝国主義の”帝国”ではない)で、「武力戦」では敗北したのですが「思想戦」では勝ち、幾つかの島嶼国を除いて、日本の思想が教え込まれた国々が独立を果たしました。

 「武力戦に負けた」とは言っても、アメリカは「戦争の定義」から逸脱して数十万人の民間人を狙った殺戮を繰り返したことから、昭和天皇が「敗戦の詔勅(大東亜戦争終結ノ詔書)」を告示し終戦を迎えたと云う事です。

--玉音放送(抜粋)--
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加之敵ハ新ニ殘虐ナル爆彈ヲ使用シテ頻ニ無辜ヲ殺傷シ慘害ノ及フ所眞ニ測ルヘカラサルニ至ル
而モ尚交戰ヲ繼續セムカ終ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招來スルノミナラス延テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ
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(現代語訳)
それ所か、敵国は新たに残虐な爆弾(原子爆弾)を使い、むやみに罪のない人々を殺傷し、その悲惨な被害が及ぶ範囲はまったく計り知れないまでに至っている。
それなのになお戦争を継続すれば、ついには我が民族の滅亡を招くだけでなく、更には人類の文明をも破滅させるに違いない。

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 戦後、日本がこれらの地域から引き揚げ、欧米の経済力も停滞し始めたので、現在では「中華圏」の朝貢国になろうとしています。戦前の「欧米の経済領土」よりはマシかも知れませんが、「大東亜共栄圏構想」には遥かに及びません。

 それはさておき、岸田内閣は「経済安全保障」を目論んでいて、貿易の強化・安定を謳っているようです。しかし、輸入や輸出に頼ると、国際情勢の変化で直接・間接の経済制裁によって「経済安全保障」が崩れます。兵器のみならず食料やエネルギーも武器に使われるので、少なくとも、これらは自給自足を目指さなければなりません。

 経済制裁自体が戦争の手段であり、不安定な世界情勢の中で貿易立国を目指すのは「戦争に首を突っこむ」事を意味します。

 「経済(経世済民)」はその意味からして国民の為にある事から、外国人の起業に対して優遇融資をしたり、技能実習(奴隷)労働移民を受け入れることも「経済安全保障」とは相いれません。

 

 


 外国人に対する投資資金を持ち逃げされるだけなら、被害はそれだけで済みますが、外国企業が日本の経済を主導すると、日本は外国の「経済領土」になります。