オバマ元大統領が黒人と呼ばれる事に対する疑問については以前書きましたが、次期副大統領候補のカマラハリス上院議員も何故か「黒人」になっています。

 父親が黒人であれば、母親の人種を問わない「父系優先」ならばば、バラクオバマやカマラハリスは黒人と言っても問題は無いのですが、アメリカの人権派が「父系優先」を主張していると云う話は聞いた事がありません。確かに、少し前までは「男尊女卑」がアメリカの、と言うより「一神教3分派」の常識でしたが、今ではそれは「思っていても言えない」のが世界の流行です。

 オバマの母親は「白人」で、ハリスの母親は「インド人」だそうです。「インド人」の場合は少し複雑で、その多くは元々は欧州人と同様に「アーリア人」ですが、「白人」とも「黄色人種」とも言えません。肌の色は「黄色人種」より濃く、顔立ちは「白人」に近いかもしれません。

 何れにしても、母親の人種に関係なく「父親が黒人」であれば、その子供は「黒人」になると云うのが「世界共通の認識」のようです。勿論、日本の報道機関もカマラハリスを「黒人の副大統領候補」としています。この認識に正当性が有るとは思えないのですが、誰も「差別主義者」のレッテルを張ろうとはしません。

 子供が「黒人認定」される要件は「 親の一方が黒人であれば、その子は黒人になる。」ようです。上記の例では、少なくとも父親が黒人であれば、連れ合いの人種に拘わらず、白人や黒人以外の有色人種にはなれないようです。これが、黄色人種を差別しているのか、黒人を差別しているのか、はたまた白人を差別しているのかは判りませんが、何れかの人種を差別している事だけは、「科学的」に言って明らかです。

 人種を科学的に「肌の色で分ける」方法は、1775年にドイツの人類学者によって分類された「五大人種」

 

 

に由来するようです。当時の常識では「白人優越主義」であり、他の人種は「退化した人種」とされていました。

・コーカシア(白人種)
・モンゴリカ(黄色人種)
・エチオピカ(黒人種)
・アメリカナ(赤色人種)
・マライカ(茶色人種)

 最近では、「白人」と「黒人」以外は「有色人種」で一纏めにされているようです。「肌の色」は先天的で自分の努力では如何ともし難い形質ですが、「肌の色」を言っても「人種差別主義者」にはならないようです。

差別:その属性を理由にして何らかの除外行為や拒否行為、特別な扱いをする行為等で、優越行為も含む。

 2005年11月7日に、国連人権委員会特別報告者のセネガル人ドゥドゥ・ディエンが日本に対して「アイヌ民族や朝鮮半島出身者らへの差別是正策として、彼らの立場に立って歴史教科書の記述を修正するように」と勧告し、この事に関連して、オーストラリアのチュチェ(主体)思想研究家であるガヴァン・マコーマック著の『属国 米国の抱擁とアジアでの孤立』には「日本は差別が根深く深刻な国であり、精神も思考も閉鎖的な社会」と書かれているようです。

 セネガルやオーストラリアがどれだけ「人権意識」の高い国かは私には判りませんが、日本人に対して「真実の歴史を書いてはいけない」とか、「白人がアボリジニを虐殺したように、日本人はアイヌや半島人処理すべき」と言っているに等しい勧告です。何故、この日本人に対する差別に対して、日本の人権派が何も言わないのかが私には理解できません。

 どうやら「黒人」と「白人」は特別な存在で、「有色人種(この場合は黒人は含まない)」は劣等民族と考えているようです。現在は判りませんが、黄色人種の中にも「名誉白人」なる人種がいたようで、兎に角、今の世界の趨勢では、肌の色には関係なく「白人」とか「黒人」と呼ばれる事でしか「人間扱い」はされないようです。