ラーメンが誕生したそのままの姿を長年研鑽し続けた清湯スープに於いて、支那そばや~69からバトンを託され現在の最先端をひた走る先頭グループの一角にして鶏清湯の最高峰。
鶏の旨味ってやつは実際のところ我々には馴染みが深過ぎて逆に舌で実感するのはそう容易いことでもないのではないかと最近思う。
むしろ煮干しや豚骨、同じ鶏でも白湯のがよほどポップでわかりやすい美味さのようにも感じる。
そんな中、鶏純度100%のスープで勝負するやまぐちが際立つのはそそり立つ生醤油の風味ゆえ。
醤油と鶏の風味が渾然一体となって攻めてくる正攻法の美味さである。
緩めに茹でた中細麺【麺屋 棣鄂】は独特の弾力、食べ手が手繰り寄せているようでいてその実、凄まじい力で丼に引き摺り込む求心力を秘めている。
毎度のことながら葛仕立ての鶏チャーシューの食感にも感嘆。
シンプルな構成、眩いばかりの見目麗しさ、間違いのない美味さ、その全てを兼ね備える鶏清湯のストライカー的存在。
格闘技に喩えるなら小細工抜きの打撃のみで構築された強さ…手法や着眼の妙ではなく、あくまで正攻法にこだわる美学。
何事もこれが一番難しいのではないだろうか。
