非日常がやってきて、図々しくこれまでの日常にとってかわった。非常時よこんにちは、貴様なぞに会いたくなんてなかったよ。
忘れないうちに色々と書きつけておく。
1.3月11日(金曜日)
外回りをしているときに揺れが来た。近場の広場に駆け込み、揺れが収まるのを待ってオフィスへ帰る。飛び交う付箋と怒号。
と、皆が、まるで釣り針に食いついた魚のようにテレビを見上げる。どす黒い塊が海から生まれ出て、何もかも押し流していく様が見える。
数十件ほど電話連絡をこなし夜になる。各鉄道会社は揃ってギブアップ、新宿駅の混乱が報道されているのを横目で見つつぎゃあぎゃあとやっているうちに動員がかかり、泊まりこむこととなる。何の気なしにiPhoneを手に取る。
・・・いくら見ても無駄だよ、どうせメールも電話も死んでるじゃないか。
2.3月12日(土曜日)
日付が変わったところで命令を受け、独り社用車で外回りをすることになる。
フロントガラス越しに星の数ほどのテールライトが見える。ラジオを付けるも、結局焦燥と不安が加速するだけだった。緊急地震速報の独特のアラート音、余震の震源が次第に南下している。
せめて息絶えるならもう少しいい思いをしてからにしたい、と思いつつ駐車場に一旦停車する。iPhoneでTwitterを見る。TLはラジオ以上に混乱を伝えてくれる。
やめておくれ、目まぐるしすぎて酔っ払うじゃないかよ。
その後所用を終えて帰庁、朝4時ころにオフィスのタイルカーペットのフロアで横になる。テレビから、あの忌々しい緊急地震速報のアラート音がじゃんじゃん鳴り響く。
2時間仮眠をとったあとでまたデスクワークをし、ようよう復旧した私鉄で11時に帰宅。ジンを1杯ショットであおり、翌日の昼12時過ぎまで眠り込む。