映画史に残るポスター。

▼御贔屓のデニス・クエイド、エレン・バーキン共演の本作、日本ではあまり有名ではないかも知れない。観る迄は悪女エレンがクエイドを狂わせる、典型的フィルムノワールだと思っていた。実際は真逆で少しワルなクエイドが真面目女エレンにのぼせ上がり、転落どころか正義に目覚める。全体的に80年代特有の軽いノリで描かれるオフビートな犯罪映画である。▼デニス・クエイドの、いかにもアメリカ的ハンサムの外見ながらも、ひねくれた役を選ぶところが好きなのだが、この『ビッグイージー』も魅力全開と言える。油ギトギトリーゼント、デカにしては上等なスーツに、怪しいくらいにガン決まりな眼光。これはロックスター刑事だ。すぐ後に本作の監督とジェリー・リー・ルイスの伝記をやるのも納得である。▼エレン・バーキンはお堅い仕事の顔と、実は無邪気で少し緩い女の側面をごく自然に演じる。知性的なエレンが裸同然で部屋をうろつき回る生々しい色気。そのギャップにやられます。▼生ぬるく不正に浸かっていたクエイドが立ち上がるクライマックスなどアクションシーンもあるものの、ストーリーとしてはあまり感心はしない。ただ、独特のごった煮感は捨てがたい魅力がある。ラスト、クエイドとエレンのダンスで締めるなんて粋としか言い様がない。