コナンの最終回は・・・。

頭脳も身体も大人だが、大きさだけが縮小した男の物語は、斬新なアイディアと秀逸なトリック撮影で現代人の不安を描いた古典的傑作である。リチャード・マシスンの描く平凡な男に訪れた不思議な出来事は、『地球最後の男』同様、たった一人の戦いなのだ。その語り口はどこまでも切実である。縮んだ男の直面する問題は常に現実的であり、その結末は命という万物に宿る存在の意味を高らかに観客に知らしめる。ファンタジー、サスペンス、アドベンチャーと次々にギアを入れ替えてゆく素晴らしい作劇は、平凡な男を崇高な魂を持つ者に変えたのだ。
それにしてもこの結末である。一週回って衝撃的なのは私だけだろうか。これでは現在では、企画が通らないと思う。だがこの説得力である。それは主人公の恐怖体験が非常に突飛ながらも、何処か身近に感じられるからかも知れない。彼は不幸にも事故にあった被害者であり、後遺症を負った障害者に見える。身体が縮み誰にも見つけられず消えて無くなる存在喪失の不安は、ストレスが生み出した現代の悪夢なのだ。
本作と同じく縮んだ探偵『名探偵コナン』がこのエンディングを迎えることはないだろう。おそらく暴動が起きます。