5分に一回。

▼いきなりブロンド美女の裸体から始まる本作確かに俗悪な映画ではある。何せ5分に一回ヌード、セクシーショットが挟み込まれるのだ。しかもそれはひたすら興味を引き付けさせるためだけにしか見えない。呆れはしても眠気は起きないこの構成は職人がなせる親切設計だろう。▼そう高をくくっていると不意に足元をすくわれる。女主人公を残し、脱ぎ要員は全て始末されれば、女体はエロではなく、単なる肉片と化すのだ。狂気の解体ショーが幕を開け、この映画はその異形さを見せつける。描写こそおとなしいが言葉を失う衝撃的な展開は今でも有効だと思う。また個人的にはラスト犯人の告白によって、不覚にも第一犠牲者が、オープニングのブロンド美女だったことに見落としてしまったことにも気付かされた。美女の胸に気を取られていたのだ。この映画、犯人=淫獣がヌードの影に見事に隠されている。▼但し、犯人当てには手がかりが提示されないので、唐突感は甚だしいし説得力も弱い。トラウマが引き起こした動機の説明が性急すぎる。だけども、この一気に折り畳むプロット、有無を言わせないイタリアホラーによくある展開は美点と評価したい。現代の視点から観るとほとんどが知らない役者のためフラットに見れ、あり得ないような物語のうねりが最後まで楽しめるのだ。思わせ振り演出が多いので伏線回収に重きを持つ人にはおすすめできないが、開き直ったようにエロと猟奇に振り切り突っ走る奇妙な魅力がある快作だと思う。